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サムスン電子、OCPを通じてオープンソースを革新

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OCP(Open Compute Project)とは、Facebook、インテル、Microsoft、Google、AMD、IBM、Rackspace、サムスンなどの企業が共同で進めているプロジェクトである。 本プロジェクトは、発足以来、世界最大規模のオープンソースハードウェアコミュニティとして成長してきた。 OCPは業界のハードウェアエンジニアやソフトウェア開発者の知識を結集し、高価で独占的なソリューションや不要なハードウェアを排除しつつ、より優秀で効率的なサーバを構築する目的で作られた。 大規模データセンターを運営するハイパースケール企業は、データセンターの技術革新と標準化を通じてオープンソースハードウェアのインフラ構築や運用コストを削減することを目標としている。 サーバの密度を上げて1ワットあたりの性能を高めることも、長期的にはエンタープライズコンピューティングによるCO2の排出削減につながる核心技術になると期待される。 開かれた未来への旅 過去数十年間、新たな次世代CPUが登場するたびに、データセンター製造企業と消費者は性能強化とPE(Power Envelope)低減の流れに乗りさえすれば良かった。 CPUのサイズは新技術の登場とともに小型化が進んだが、リソグラフィによって達成できる電力効率性や性能向上の幅は以前に比べて減少している。 今後、性能を向上させるためには、リソグラフィへの依存度を減らし、他のシステムで発生するエネルギーロスやボトルネックの解決に重点を置かなければならない。 OCPは、サーバ冷却と空気の流れからラック(rack)構造、ストレージの仕様に至るまで、データセンターのあらゆる部分と関連があるため、コンピューティング業界において性能向上の原動力となる革新を続けるうえで重要な役割を果たしている。 これまで多くの企業がOCPの発展を導いてきた。 サムスン電子は2015年にOCPに合流して以来、専門性を高め、2020年には年次カンファレスであるOCP Global Summitの開催を支援した。 サムスンは韓国のOCPでも率先して参加している。 サムスン電子は分散型ストレージ(disaggregated storage)プラットフォームである開放型ハードウェア、ポセイドン(POSEIDON)を発売しているが、このサーバはハイパースケーラーサーバ企業と一般のデータセンター市場のニーズを両方満たすものである。 ポセイドンサーバは従来のフラッシュシステムに比べて最大2~3倍の容量をカバーし、1Uシステム(256TB)では8TBの容量でサムスンE1.Sドライブを32台サポートする。
이미지는 하드웨어 사양 및 부품에 대한 설명이다.
이미지는 하드웨어 사양 및 부품에 대한 설명이다.

この新しいストレージプラットフォームの中核要素の一つが、サムスン電子のPCIe® Gen4 PM9A3 SSDである。 PM9A3 SSDは1ワットあたりの性能を最大化して第6世代V-NANDメモリを使用し、PCIe® Gen4をサポートする。 PM9A3は、第5世代のPM983aに比べて性能が大幅に向上し、連続読み込み速度が6,950MB/sに達する。 旧世代に比べて性能が約2倍改善した。 さらに、PM9A3は電力効率にも優れていて、連続書き込み性能は1ワットあたり283MB/sと、1ワットあたり188MB/sのPM983aに比べてエネルギー効率が50%近く高まった。 サムスン電子メモリー事業部S/W開発チームのイ・ジョンヨル副社長は、「PM9A3は1Uサーバに最適化したフォームファクタを提供してスペースの活用度を高め、PCIe® Gen4の速度によって容量が拡大できる」と説明し、「PM9A3は先進的なクラウドデータセンターのサーバ用として最も脚光を浴びるストレージとなり、コスト効率も向上する」と予測した。
ポセイドン金物
ポセイドン金物

また、プロジェクトポセイドンのストレージOSであるポセイドンOS(POS)も注目を集めている。 POSは軽量ストレージで、ストレージネットワークを通じて高性能と使い勝手の良い機能を提供する。 POSは、NVMe™ SSDの強みを生かしてストレージスタックを最適化し、最新の高速インターフェースを活用する。 また、ソフトウェア定義ストレージ(SDS)機能を実装し、データセンター内のストレージアプリケーションの様々な要求事項を処理する。 POSによって、各産業はデータセンター内にコンポーザブル分散型インフラ(CDI)を構築しやすくなる。 POSの最新バージョンは、開発後にPCIe® Gen4との相互接続テストを経てGithubから発売された。 業界のこうした協力のありかたは、今後10年間、システム設計や半導体技術の発展を導く原動力となるだろう。 過去15年間、世界のデータセンターの効率は向上し続け、業界平均のPUE(Power Usage Effectiveness、エネルギー効率)指数は2007年の2.5から2019年には1.67に下がった。 数値が高いほどデータセンターの効率が低いことを意味し、特定業界の平均的な効率に比べると1.67は高いほうである。 OCPは、サーバの顧客と製造側とのコミュニケーションにとどまらず、様々な業界パートナーとのコミュニケーションに広がり、業界全般に変化をもたらしている。 協力体制による改善 OCPのアプローチ方法は、市場の分裂を防ぎ、データセンターの開発およびメンテナンスコストを削減することができる。 さらに、ステークホルダーそれぞれに合った価値を提供することができる。 OCPは標準化した仕様であるため、多くのベンダーがSSDメーカーに求める条件を満たしている。 これにより、開発スケジュールの不確実性が減り、リソースの活用度が改善され、全般的なプロセスの簡素化を図ることができる。 OCPのNVMe™ Cloud SSDの仕様は、FacebookとMichrosoftで始まり、現在はHPEやDELL EMCなどのサーバメーカーの意見を参考に開発が行われている。 協業体制の基準があれば、開発や大量生産の途中で仕様が変わってしまうリスクが減る。 こうして最新のSSDの統一性を高めることで、次世代の製品企画の段階から仕様がどのように変わるか予測できるようになる。 結果は明確だった。 OCP構築の核心だった米国オレゴン州プラインビルにあるFacebookデータセンターは、他のデータセンターを上回る電力使用効率を記録したのだ。 OCPの最終目標は、すべてのデータセンターの効率を高めて構築を容易にし、非互換性の問題を減らすことにある。 その実現に重要になってくるのが、アイデア、仕様、知財の共有などである。 長期的な観点からOCPの成功を予想する声が外部からも聞こえている。 『The Next Platform』などの著名なメディアは、現在のOCPを評価し、長期的な成長と人気の理由を分析した。 具体的には、「OCPのエコシステムがすべての主要指標において着実に成長し、改善の傾向を見せており、その結果として、顧客基盤と合わせてサーバ、ストレージ、スイッチ、エッジセルサイト、ネットワークインターフェースカードなど、各企業がOCPインフラ構築に投入する費用も徐々に増加している」と報道した。 サムスン電子はOCPのSSD仕様を満たすSSDをいち早くリリースし、プロジェクトポセイドンと共にOCPプロジェクトを進めてきた。 また、迅速な適用と参加を基に市場をリードすると同時に、公共の利益のために技術を開発してきた。 そして、主要なシステム開発業者と今後さらに協力を進めることで、より強力な未来型データセンターを構築する可能性を切り開いた。