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[Memory Tech Day 2023] AI時代におけるストレージ階層構造再考

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サムスンは、AIとビッグデータの未来に取り組んでいる。顧客の総所有コスト(TCO)を削減するには、大容量、省電力、優れたパフォーマンス、高品質のコンポーネントを提供することが欠かせない。 2023 年10 月に開催されたSamsung Memory Tech Dayでは、プレゼンテーションを通じて、サムスンがストレージ環境をどのように再考しているかについて発表が行われた。 最初のプレゼンテーションでは、サムスン電子NAND製品企画チーム副社長のJay Hyunが、より多くのデータ処理をコンピューティングシステムの「エッジ」に移行し、ランダム読み込み/書き込み回数を減らすと共にCPUとGPUで取り扱うデータ量を最小限に抑える過程について説明した。エッジ処理に加えてキャッシュメモリにより多くのデータを保存して処理できるようにすることで、ストレージで送受信されるデータ量を軽減でき、帯域幅の速度とメモリキャッシュが高いほど遅延時間を短縮可能で、より一貫したレベルのサービス品質(QoS)を提供できる。現在のVNANDソリューションは、より速いIO速度においてより高いビット密度で大容量を提供する。この技術の目標は、チップ上により多くのビットを積層できるようにすることで、3重レベルセル(TLC)VNANDから4重レベルセル(QLC)に拡張することである。新しい世代ごとに速度と密度が1.5~1.6倍(業界最高レベル)に向上すると予想されている。これを実現することで、今後、サムスンは帯域幅を大幅に改善すると共に遅延を短縮し、顧客に一貫したQoSを保証する手段を提供していくだろう。 サムスン電子副社長のLeno Parkは、ストレージ製品の改善に対するビジョンを拡大してきた。彼は、モバイルデバイス、クライアントPC SSDアプリケーション及び企業向けデータセンター用ストレージSSDデバイスにおけるQLC NAND技術の採用率が増加すると予測している。新しいQLC NANDデバイスは、より高密度のメモリになると予想されており、より多くのデータをデータ処理層の近くに保存できるようになる。AIのトレンドにより、より多くのデータがストレージとプロセッサーの間を行き来する必要があるため、これは非常に重要な要素であると言える。QLC NANDの採用が増加し、コストが下がることにつれ、QLC技術は、SSDやフラッシュストレージなどのNAND技術製品をさらに成長させる可能性を持っている。 サムスン電子フラッシュ設計チーム長兼副社長のJiho Choは、SSDのビット密度を高める必要性について説明した。QLC NANDと現在商用化されているNAND技術を統合すると、NAND技術の開発が改善され、デバイスでより多くのデータを保存できるほか、ビットに関するコストを削減できる。 Jiho ChoとLeno Parkは、NAND技術を「エコシステム(ECO NAND)」で組み合わせると、さらに大容量のフラッシュストレージとSSDが実現できるという点で意見が一致している。SLC、TLC、QLCを組み合わせるメリットは、モバイルデバイス、クライアントPC SSD、企業向けデータセンターSSD市場で確認できる。このような効率の向上は、ストレージのパフォーマンスがあまり重要な要素ではない現在のHDD市場のソリューションを圧倒できる可能性も持っており、データのバックアップ、ロングテールのマルチメディアコンテンツ、データストレージに最適である。 サムスン電子米国法人製品管理チーム常務のSarah Peachは、将来のSSD製品のTCOを削減する取り組みについて説明した。市場での優位性を維持するには、PCIe Gen6、QLC NANDなどの新しい技術を通じてTCOを削減することが重要である。TCOを削減するには、SSDのビット密度を高める必要がある。ビット密度が高くなるほどSSDの設置空間が小さくなるため、データセンターに必要なストレージラックの数が減る。これにより、データセンターに必要な床面積を削減できる。確保すべきスペースが減ると資本的支出も削減される。密度が高くなると、SSDがデータを転送するための処理数が少なくなり、エネルギー消費が削減される。また、維持保守するシステムも少なくなるため、データセンターの間接費用も軽減できる。これは、事業運営費の減少につながり、結果として全体的なTCOの削減に役立つ。 サムスンは、多様なメモリストレージソリューションを提供することで、現在と未来のトレンドに顧客が備えられるようにサポートしている。