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[寄稿文]ファウンドリーの協力とその未来

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2020年、パンデミックがもたらした景気後退は、遠隔デジタルソリューション分野の成長とオンラインでの業務/教育/ショッピングの急激な増加によって一部は回復したといえます。 このようなオンラインの仕組みは、政府による多額の緊急財政支出とともに、コロナ下でも多くの国で基本的な社会、教育、医療および経済活動を再開するうえで、大きな力となりました。
その結果、ここ10年間停滞していたPC市場は、2020年に入って二桁の成長を遂げました。 現在、5Gスマートフォンの普及率は4Gに比べて急速に高まっており、新たに発売されるデバイスのほぼ半数が5G対応のデバイスになると予想されます。
高速の技術プラットフォームに対する需要が増加したことで、テクノロジー企業では今、カスタマイズ型の半導体チップソリューションの開発能力が必要とされています。 ファウンドリーの場合、もはや一般的なプロセス技術とウェハ製造サービスだけでは、顧客の複雑なチップ設計の要求事項を満たすことはできません。
最適の電力、性能、面積拡張、コストおよび市場投入までの期間(PPACt)に関する最高のエンドツーエンドソリューションを提供することが求められ、ファウンドリーは複雑なチップデザインのそれぞれのコア機能を活用するための一つの方法として、異種デバイス集積化ソリューション(heterogeneous integration solutions)を提供する必要があります。
このような新しい市場のニーズに応えるため、サムスンファウンドリーは、バーチャルR&D、カスタマイズ生産(Customization)、プラットフォームソリューション(Platform Solutions)の3つのサービスに力を入れてきました。
バーチャルR&D(Virtual R&D)では、半導体プロセスにおける革新が想像のレベルにとどまるとは考えていません。 何より理想とするのは、ファウンドリー業界と顧客との間で協力的な開発モデルが成立することです。 当社のバーチャルR&Dプロセスを通して、私たちは顧客と協力して、初期段階から実質的な技術設計を共同で定義し、共同開発を行うことができます。 プロセスと製品の相互作用に関する共通の洞察力を持つことで、顧客は製品の早期リリースを期待しつつチップの設計を進めることができます。
カスタマイズ生産(Customization)によって、顧客は最適のプロセスとデザインノブ(knob)セットを統合し、プロセス開発の後半で当社と協力を行い、高度な構成要素を活用できるメリットがあります。 Foundation IP、設計方法論、パッケージングおよび異種デバイス集積化に限らず、様々な機能の組み合わせやPPAデザインのポイントが提供されます。
競争力のあるプロセス技術とIP以外にも、サムスンは顧客の次世代高性能コンピューティング(High Performance Computing)、AI、モバイル、IoTおよび自動車アプリケーションにおいて必須のプラットフォームソリューション(Platform Solutions)といえる核心的な技術ソリューションを発見しました。
特定のプラットフォームソリューション主な特徴
性能プラットフォーム・大型ダイ(die)の設計方法論
・2.5D/3D統合ソリューション
・高性能IP(DRAM PHY, Serdes)
連結プラットフォーム・低電力設計方法論およびIP
・セキュリティおよび連結IP
・埋め込みMRAM
自動車プラットフォーム・ISO26262, AEC-Q100認証ソリューション

この3つのサービスは、顧客とファウンドリーの関係に関する視野を広げてくれることでしょう。 これらのサービスは、現在のように変化の大きい時代において顧客に競争力を提供するためのサムスンファウンドリーの核心的な技術革新です。 これには以下のものが含まれます。 • 高性能、低電力コンピューティング、AIおよび5GプラットフォームのためのMBCFET™(Multi-Bridge Channel Field Effect Transistor)などを含む新たなトランジスタ構造 ・EUVリソグラフィの大量生産 • 消費電力を抑える小型ミリ波(mmWave)5Gモバイルデバイスのための8nm RF • ハイクラスの2.5/3Dパッケージング技術
世界的な課題事項に加え、顧客から寄せられる様々な要求を考慮すると、ファウンドリー産業は、技術の定義、プロセス、設計を行う際により幅広く柔軟性のある選択を顧客に提供できるよう進化しなければなりません。 サムスンではそれに取り組んできたので、顧客の次世代チップの設計に関して、あらゆる課題に対応する準備が整っています。
※編集者注: 本記事は、6月16日行われた2021年VLSIシンポジウム(VLSI 2021)でチェ・シヨン社長が行った基調講演「Pandemic Challenges, Technology Answers(パンデミック時代における課題、テクノロジーが提示する答え)」の内容を要約したものです。 リンク
チェ・シヨン サムスン電子ファウンドリー事業部社長