本文へ移動

サムスン電子、「未来の先端産業の目」 ISOCELL Vizion 2種を公開

  • iToFセンサーの「ISOCELL Vizion 63D」…モバイル、ロボット、XRなどに活用可能
    • コウモリが音波を把握するように光の波長を検知し、モノの3次元立体情報を測定
    • 業界初のワンチップiToFセンサー…前のモデルに比べ、システム消費電力量を40%削減
    • 業界最高レベルの量子効率でモーションブラーを最小化・鮮明な画像を提供
    • 面光源と点光源モードにすべて対応…最大測定距離を8メートルまで拡張
  • グローバルシャッターセンサーの「ISOCELL Vizion 931」…XR、ゲーム、ドローンなどに最適化
    • 人の目のようにすべてのピクセルを同時に光に露出して撮影…速度・精度↑
    • 人の瞳、表情、手の動きのような細かいモーションも認識可能

  • 共有
サムスン電子は、モバイル、ロボット、XRなどの先端コンテンツプラットフォーム向けイメージセンサーラインナップである「ISOCELL Vizion」の次世代製品を2種公開した。 「ISOCELL Vizion 63D」は、光の波長を検知してモノの3次元立体情報を測定する間接飛行時間測定センサー(indirect Time of Flight、iToF)であり、モバイルはもちろんロボット、XR分野など、様々な未来の先端産業に活用できる。 *iToFセンサー:高解像度・高精度が求められるアプリケーションに特化したToFセンサーの一種 「ISOCELL Vizion 931」は、人の目のようにすべてのピクセルを同時に光に露出して撮影するグローバルシャッター(Global Shutter)センサーであり、XR、モーショントラッキングゲーム、ロボット、ドローンなど、動く被写体を歪曲なしに撮影する必要がある分野に最適化されている。 □ コウモリの音波把握能力を実現した「ISOCELL Vizion 63D」iToFセンサー サムスン電子の「ISOCELL Vizion 63D」は、コウモリが音波を利用して周囲を検知する仕組みのような原理で距離を測定する。音波の代わりに発光している光の波長と被写体に反射して戻るってきた波長の位相差で距離を迅速かつ正確に計算し、モノの3次元立体情報を把握する。 これを通じ、XRデバイス、サービング/物流ロボット、顔面認証など、様々な先端アプリケーションの主な製品に活用される予定である。 今回の製品は、業界初のワンチップiToFセンサーでモノの深度(Depth)演算に最適化されたISP(Image Signal Processor)が内蔵されているため、APを介さずに深度マップ(Depth Map)を撮影できる。また、前のモデルの「ISOCELL Vizion 33D」に比べ、システム消費電力量を最大40%まで削減している。 * ISP:イメージセンサーから送信された未加工データを補正し、消費者が好む形の画像やビデオを作り出す役割を果たす * 深度マップ:観察者の観点でモノとの距離に関する情報を含む画像で、3次元立体情報を提供する 「ISOCELL Vizion 63D」は、iToFセンサー機能の実現に最適化されたQVGA解像度の画像を毎秒60フレームの速度で処理する。 *QVGA(Quarter Video Graphics Array):320×240ピクセルの解像度、iToFセンサーの3次元立体画像出力に最適化された解像度規格 サムスン電子は、ピクセルの光源吸収率を高める後方散乱技術(Backside Scattering Technology、BST)を通じ、赤外線の基準で940nm(ナノメートル)において業界最高レベルの38%の量子効率(Quantum Efficiency)を実現している。これにより、モーションブラーを最小化し、鮮明な画像を提供する。 *量子効率:物質の中で光子または電子が他のエネルギーの光子または電子に変換される割合。特に、光子に変換される場合は光効率ともいう また、高解像度を提供する面光源モードはもちろん、遠距離測定が可能な点光源モードにすべて対応しているため、最大測定可能距離を前のモデルの5メートルから10メーターまで2倍拡張している。周辺状況を迅速かつ正確に認識して移動する必要がある走行/サービスロボットなどに欠かせない。 これに加え、「ISOCELL Vizion 63D」は、業界最小サイズの3.5μm(マイクロメートル)ピクセルを採用しており、VGA(640×480)解像度を1/6.4"オプティカルフォーマットサイズに実現しているため、携帯または着用が可能な小型デバイスに最適化されている。 * VGA:640×480ピクセルの解像度、比較的高解像度画像に使われる解像度規格 □ 人の目のようにモノを認識する「ISOCELL Vizion 931」のグローバルシャッターセンサー サムスン電子の「ISOCELL Vizion931」は、従来の高解像度カメラ用イメージセンサーのローリングシャッター方式ではなく、グローバルシャッター技術が採用されたイメージセンサーである。 一般的なイメージセンサーはピクセルを順次光に露出させて撮影するローリングシャッター方式であるが、グローバルシャッターは人の目のようにすべてのピクセルを光に同時に露出させて撮影する。 これにより、速く動いている物体も鮮明で歪曲なしに撮影できる。XR、モーショントラッキングゲーム、ロボット、ドローンなど、迅速性と高精度が求められる分野に活用される。 特に、「ISOCELL Vizion 931」は、1対1比率の解像度(640×640)に対応しており、XRデバイスのような頭部装着型ディスプレイデバイスで虹彩認識だけでなく、視線追跡、表情、手の動きなどの細かいモーションを認識することに最適化されている。 また、後方散乱技術とピクセルの間に絶縁部を形成するFDTI(Front Deep Trench Isolation)手法を採用し、850nm赤外線で業界最高レベルである60%の量子効率を実現している。 * FDTI:ピクセル間に絶縁部を形成する工法で、混色(crosstalk)を最小化し、最大飽和容量(full well capacity)を最大化する技術 このほか、マルチドロップ機能を通じ、1本のデータ線で最大4台のカメラまで同時に接続可能で、デバイスメーカーがより簡単に製品を設計できるようにサポートしている。 *マルチドロップ:撮影した画像が送信されるデータ線を複数のセンサーが同時に共有する技術 サムスン電子システムLSI事業部次世代センサー開発チーム長のイ・ヘチャン(副社長)は、「『ISOCELL Vizion 63D』と『ISOCELL Vizion 931』には、サムスン電子の差別化された次世代イメージセンサー技術とノウハウがすべて集約されている」とし、「サムスン電子はiToFセンサー、グローバルシャッターセンサーなど、「ISOCELL Vizion(ISOCELL Vizion)」のラインナップに基づき、急成長している次世代のイメージセンサー市場をリードしていく計画である」ことを明らかにした。 サムスン電子は、現在、2つの製品のサンプルを顧客に提供している。