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サムスン電子、「生体認証カード」用ワンチップ指紋認証ICを発売

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サムスン電子は、「生体認証カード」用ソリューションをワンチップ(One-Chip)化した指紋認証ICチップを発売した。 「生体認証カード」は、利用者の指紋情報を読み取って認証するICチップが内蔵されたカードだ。 指紋センサーに指を接触させたまま、カードを端末に挿入したりタッチすると決済が行われるため、セキュリティや使いやすさに優れている。 サムスン電子は、カードにそれぞれ搭載している▲セキュアエレメント(SE、Secure Element)▲指紋センサー▲セキュリティプロセッサを業界で初めて一つのICチップに統合し、「生体認証カード」の内部回路設計を簡素化した。 セキュアエレメントは、様々なハッキング方法によって情報が漏洩しないように指紋情報を暗号化して安全に保存することができるため、セキュリティレベルがかなり高い。 また、セキュリティプロセッサは許可されていない指紋を迅速かつ正確に識別することができる。 ハッキング対策技術も備えているため、偽造した指紋を利用してセキュリティシステムにアクセスすることを事前に防ぐ。 海外での決済時にパスワード入力やPINコードによる本人確認などを行う必要がないため、パスワード流出のリスクがない。また、指紋認証によって本人以外は決済できないため、カードの盗難および紛失による決済被害を減らすことができる。 サムスン電子指紋認証ICチップは、「マスターカード」の生体認証評価計画の概要(BEPS、Biometric Evaluation Plan Summary)を通過し、セキュリティ性を立証した。 また、「情報技術セキュリティ評価のためのコモンクライテリア(CC、Common Criteria)」の評価保証レベル「EAL6+」と、「ICチップ搭載クレジットカードの統一規格(EMVCo)」の認証も取得している。 *コモンクライテリア(CC): 国別に異なる情報技術セキュリティ評価基準を相互認証するために制定された共通評価基準。 EAL0からEAL7で格付けされ、EAL7に近いほどセキュリティレベルが高い * ICチップ搭載クレジットカードの統一規格(EMVCo): 接触型/非接触型決済に関する技術の開発/管理/普及のためのクレジットカード会社6社(American Express, Discover, JCB, Mastercard, UnionPay, Visa) で構成される標準化機関 サムスン電子システムLSI事業部マーケティングチームのハン・ギュハン常務は、「今回新たに発売した指紋認証ICチップ「S3B512C」は、生体認証カードの3つの重要な機能を一つに統合した製品で、決済用カードだけでなく、学生証やメンバーシップカード、入退室管理のICカードなど様々な分野で活用してもらえるだろう」と述べた。