本文へ移動

「最先端工程イノベーションでAI技術のパラダイムをリード」 サムスン電子、米シリコンバレーで「サムスンファウンドリフォーラム2023」を開催

「最先端工程イノベーションでAI技術のパラダイムをリード」 サムスン電子、米シリコンバレーで「サムスンファウンドリフォーラム2023」を開催

  • 共有
サムスン電子は、6月27日(現地時間)、米シリコンバレーで「サムスンファウンドリフォーラム2023(Samsung Foundry Forum 2023)」を開催し、最先端ファウンドリ工程サービスの提供拡大とシェルファースト戦略を段階別に実行することにより安定した顧客サポートが可能であることを示しました。 ※シェルファースト戦略:クリーンルームをいち早く建設し、将来の市場のニーズと連携した柔軟な設備投資を通じ、安定した生産能力を確保することで、顧客のニーズに積極的に対応する戦略
6月27日(現地時間)、サムスン電子が米シリコンバレーで開催した「サムスンファウンドリフォーラム2023」で、サムスン電子ファウンドリ事業部長のチェ・シヨン(社長)が基調講演を行っている。
 サムスン電子は、「境界を越えるイノベーション(Innovating Beyond Boundaries)」をテーマに、人工知能(AI)時代における最先端半導体の限界を克服する様々な方策を示しました。 特に、最先端2ナノ工程のアプリケーションの拡大と先端パッケージ協議体の「MDI(Multi Die Integration)アライアンス」を発足、今年下半期から平澤第3ラインでファウンドリ製品を量産するなどの取り組みを通じ、ファウンドリ事業の競争力を強化していくことを明らかにしました。 今回のイベントには、ファウンドリ事業部の主な顧客とパートナー計700人が参加しており、38のパートナーは、会場にブースを設け、ファウンドリ技術の最新トレンドを共有しました。 サムスン電子ファウンドリ事業部長のチェ・シヨン(社長)は基調講演で「多くの顧客が独自の製品やサービスに最適化した人工知能専用半導体の開発に積極的に乗り出している」として、「サムスン電子は人工知能半導体に最も適したGAAトランジスタ技術のイノベーションに継続的に取り組むと共に人工知能技術のパラダイム変化をリードしていく」と述べました。 ※GAA(Gate All Around):GAA技術とは、ゲートの面積を広げることで、工程の微細化によるトランジスタパフォーマンスの低下を克服しデータ処理速度と電力効率を高める次世代半導体におけるコア技術をいう。 ☐ ファウンドリ技術のイノベーションで先端工程のリーダーシップを強化…2ナノのアプリケーションを拡大
6月27日(現地時間)、サムスン電子が米シリコンバレーで開催した「サムスンファウンドリフォーラム2023」で、サムスン電子ファウンドリ事業部長のチェ・シヨン(社長)が基調講演を行っている。 サムスン電子は、今回のフォーラムで2ナノ量産計画とパフォーマンスに対する詳細を公開した。 サムスン電子は、2025年にはモバイル向けを中心に2ナノ工程(SF2)を量産し、2026年にはハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)向けの工程、2027年にはオートモーティブ向けの工程へと拡大していく計画です。最先端SF2工程の場合、SF3に比べ、パフォーマンスは12%、電力効率は25%改善し、面積は5%減少します。 また、1.4ナノ工程は、計画通り2027年に量産を開始する予定です。 ☐ 様々な顧客のニーズに応えるため、スペシャルティ工程の競争力を引き続き強化 サムスン電子は、コンシューマー、データセンター、オートモーティブ向けに2025年に8インチGaN(窒化ガリウム)電力用半導体ファウンドリサービスを開始する計画です。 *GaN(窒化ガリウム):次世代電力用半導体としてシリコン(Si)半導体の限界を超え、システムの高速スイッチングと消費電力の削減を最大化できる サムスン電子は、次世代となる第6世代移動通信(6G)の先行技術を確保するため、5ナノRF(Radio Frequency)の工程も開発しており、2025年上半期に量産を開始します。5ナノRF工程は、既存の14ナノに比べ、電力効率が40%以上改善し面積は50%減少します。 また、現在、量産中の8ナノ、14ナノRF工程を、モバイルにとどまらずオートモーティブなどの様々なアプリケーションに拡大していく計画です。 ☐ 顧客のニーズに迅速かつ柔軟に対応するため、「シェルファースト」ラインの運営を段階別に実施 サムスン電子は、市場と顧客のニーズに迅速かつ柔軟に対応するため、韓国平澤と米テキサス州テイラーで半導体用のクリーンルームの建設にいち早く取り組んでおり、2027年のクリーンルームの規模は、2021年に比べ、7.3倍に拡大します。 サムスン電子は、今年下半期、韓国平澤の第3ラインでモバイルなどの様々なアプリケーション用のファウンドリ製品を本格的に量産する計画です。また、現在建設中の米テイラーの第1ラインを計画通り今年下半期に完成、来年下半期には本格的に稼働させる予定です。 また、サムスン電子は、平澤とテイラーに続き、生産拠点を国家産業団地として造成している龍仁に拡大していく計画です。 ☐ 最先端パッケージの協力体制を構築…ビヨンドムーア(Beyond Moore)時代をリード
6月27日(現地時間)、サムスン電子が米シリコンバレーで開催した「サムスンファウンドリフォーラム2023」で、サムスン電子ファウンドリ事業部長のチェ・シヨン(社長)が基調講演を行っている。 サムスン電子は、グローバルSAFE(Samsung Advanced Foundry Ecosystem)のパートナー、メモリ、パッケージ基板、テスト分野の企業と共に最先端パッケージ協議体のMDI(Multi Die Integration)アライアンスの発足をリードしていきます。 「MDI(Multi Die Integration)アライアンス」は、2.5D/3D異種集積(Heterogeneous Integration)パッケージ技術のエコシステムを構築することで、積層技術 のイノベーションを続けていく 一方、パートナーと共に「最先端パッケージのワンストップターンキーサービス」を提供し、ビヨンドムーア時代をリードしていきます。 ※異種集積パッケージ技術:お互い異なる機能を持つ半導体を一つの半導体のように動作させるパッケージ技術 特に、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)やオートモーティブなど、アプリケーション別に差別化したパッケージソリューションを開発することで、市場と顧客の様々なニーズに応えていく計画です。 ☐ サムスンファウンドリのエコシステムを拡大…グローバルIPパートナーとファブレスを全力で支援
6月27日(現地時間)、サムスン電子が米シリコンバレーで開催した「サムスンファウンドリフォーラム2023」で、顧客とパートナーが会話している。
 サムスン電子は、6月28日(現地時間)、「イノベーションを加速する(Accelerate the Speed of Innovation)」をテーマに「SAFE(Samsung Advanced Foundry Ecosystem)フォーラム」も開催しました。 「SAFEフォーラム」は、サムスンファウンドリの顧客とパートナー企業が集まり、先端ファウンドリ技術とトレンドを共有するイベントで、サムスン電子は、各分野のパートナーがお互いのソリューションについて説明し、協議する場を提供します。 サムスン電子は、100以上のSAFEパートナーと共に「顧客の成功」という共同の目標に向けて取り組んでいます。 サムスン電子は、パートナー間の持続可能な関係の構築と強化を支援しており、これを通じ、8インチ 工程を始め、最新のGAA工程までファブレス顧客の製品設計インフラを発展させています。 サムスンファウンドリのEDA(電子設計自動化)パートナは、80以上の電子設計ツールを提供しており、10のOSATパートナーと共に2.5D/3Dパッケージの設計に必要なソリューションを集中的に開発にしています。 ※EDA(Electronic Design Automation):半導体チップの設計に使われるソフトウェア
※OSAT(Outsourced Semiconductor Assembly And Test):半導体パッケージ及びテスト受託企業 また、サムスンのファウンドリ工程に詳しい9のDSPパートナーだけでなく、9のクラウドパートナーと共にスタートアップを含む様々な顧客に製品設計サービスを支援しています。 ※DSP(Design Solution Partner):ファブレスで作った設計図をファウンドリ工程に最適化するサービスを提供する企業 サムスン電子は、50のグローバルIPパートナーと4,500以上のIPを確保しています。 ※IP(半導体設計資産、Intellectual Property):半導体の特定の機能を回路で実現した設計ブロックで、半導体設計に欠かせない要素 サムスン電子は、LPDDR5x、HBM3P、PCIe Gen6、112G SerDesなど、SF2工程に使用する最先端高速インターフェースIPを来年上半期まで確保する計画であり、IPパートナーと長期にわたる協力を推進し、AI、HPC、オートモーティブ顧客の幅広いニーズに対応すると共にIP別に多数のグローバルパートナーとの協力を推進していく予定です。 ※HBM(High Bandwidth Memory):高帯域幅メモリ半導体 ※PCIe(Peripheral Component Interconnect Express):2002年、PCI SIGにより策定されたシリアル送信方式のインターフェース。広い帯域幅、拡張性、速い応答速度、向上されたエネルギー効率がメリット
 ※SerDes(Serializer-Deserializer):シリアル-パラレル変換回路。大量のデータを高速で送信できるインターフェース サムスン電子半導体デザインプラットフォーム開発室長のケェ・ジョンウク(副社長)は、「サムスン電子はSAFEのパートナーと協力し、最先端の工程及び異種集積技術を導入することで、益々高まっている設計の複雑度を最小化している」と述べた上で、「今回のフォーラムを機にSAFEのエコシステムの量的・質的成長を成し遂げると共に顧客のイノベーションと成功を支援していく」ことを明らかにしました。