サムスン電子、次世代半導体パッケージ技術「I-Cube4」を開発

サムスン電子は、ロジックチップと4つのHBM(High Bandwidth Memory)チップを一つのパッケージで実装した独自構造の2.5Dパッケージ技術「I-Cube4」を開発した。 「I-Cube4(Interposer-Cube4)」は、高帯域幅のデータ伝送と高性能システム半導体のニーズがあるHPC(High Performance Computing)や人工知能/クラウドサービス、データセンターなどを中心に幅広い活用が期待されている。 サムスン電子によると、「I-Cube」は、シリコンインターポーザ上にCPUやGPUなどのロジックとHBMを配置して一つの半導体のように動作させる異種デバイス集積化(Heterogeneous Integration)のパッケージ技術である。 これにより、複数のチップを1つのパッケージ内に配置して伝送速度を高め、パッケージの面積をより小さくできる。 サムスン電子は、「I-Cube4」にシリコンインターポーザ(Si-Interposer)を適用して超微細配線を実装し、半導体の駆動に必要な電力も安定的に供給できるようにした。 一般的に、パッケージの中に実装する半導体チップが多くなるほどインターポーザの面積も増え、工程上の難しさも増す。 サムスン電子は、100µmレベルの非常に薄いインターポーザの変形を防ぐために、材料や厚みなど様々な観点で半導体プロセス・製造ノウハウを適用した。 また、「I-Cube4」にモールドを使用しない独自構造を適用して熱を効率的に放出するようにした。 サムスン電子は、パッケージ工程の中間段階で動作テストを実施して不良を事前にはじき、全体の工程段階を減らすことで生産期間を短縮した。 サムスン電子ファウンドリー事業部マーケット戦略チームのカン・ムンス専務は、「高性能コンピューティング分野を中心に、次世代パッケージ技術の重要性が高まっている」とし、「サムスン電子は、『I-Cube2』の量産ノウハウと比類なき『I-Cube4』の商用化技術の競争力を基にHBMを6個/8個搭載する新技術を開発し、市場に公開する予定だ」と明らかにした。 一方、サムスン電子は2018年にロジックと2つのHBMを集積した「I-Cube2」ソリューションを発表し、2020年にはロジックダイとSRAMを垂直に積層した「X-Cube」技術を公開するなど、次世代パッケージ技術の差別化に取り組んでいる。

▲サムスン電子、次世代半導体パッケージ技術「I-Cube4」