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サムスン電子、世界初のAI HBM-PIMを開発

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サムスン電子は、世界で初めてメモリー半導体とAIプロセッサを統合したHBM-PIM(Processing-in-Memory)を開発した。 PIM(Processing-in-Memory)は、メモリー内部に演算に必要なプロセッサ機能を加えた新しい概念の次世代融合技術だ。 サムスン電子はPIM技術を活用し、スーパーコンピュータ(HPC)やAIなど超高速データ分析に使われるHBM2 AquaboltにAIエンジンを搭載したHBM-PIMを開発した。 ※ HBM2(High Bandwidth Memory) Aquabolt : 2018年1月、サムスン電子が量産した第2世代の高帯域幅メモリー半導体 AIシステムにHBM-PIMを搭載した場合、従来のHBM2を使用するシステムに比べ性能が約2倍向上し、システムエネルギーは70%以上減少する。 また、既存のHBMインターフェースにも対応しているため、HBMのユーザーはハードウェアやソフトウェアを変えることなく、HBM-PIMによる強力なAIアクセラレータシステムを構築することが可能になった。 ※ AIアクセラレータ: 人工知能を実行するための専用ハードウェア 最近、人工知能の応用領域が拡大し、技術が高度化するにつれ、高性能メモリーに対するニーズが高まっているが、従来のメモリーではノイマン型の限界を克服することが難しかった。 ノイマン型は、今日ほとんどのコンピュータで使用されている基本構成であり、CPUがメモリーからコマンドを読み込んで実行し、その結果を再び記憶装置に格納する作業を順番に行う。 この過程でCPUとメモリー間でやり取りされるデータが増えると、作業に遅延が生じる。 サムスン電子はこの問題を克服すべく、メモリーバンクにAIエンジンを装着し、並列処理を最大化して性能を高めた。 また、HBM-PIMはメモリー内部で演算が可能なため、CPUとメモリー間のデータ移動が減り、AIアクセラレータシステムのエネルギー効率を高められる。 ※バンク(Bank): メインメモリーを構成する際の論理的な構成単位 サムスン電子は、こうした革新技術をDRAMに組み込んだHBM-PIMの製品化に成功し、半導体分野で最も権威ある学会「ISSCC」に論文が採択された。 サムスン電子メモリー事業部商品企画チーム長のパク・グァンイル専務は、「HBM-PIMはAIアクセサレータの性能を最大化させる業界初の人工知能型PIMソリューションで、サムスン電子は今後も顧客企業との協力を強化し、PIMエコシステムを構築していく」と述べた。 米アルゴンヌ国立研究所CELS(コンピューティング/環境/ライフサイエンス)研究室長のリック・スティーブンス氏は、「HBM-PIMは、AI応用の性能とエネルギー効率の面で驚くべき成果であり、HBM-PIMのシステム評価に向け、今後もサムスン電子との協力を期待している」と語った。 サムスン電子は、上半期中に様々な顧客企業のAIアクセサレータにHBM-PIMを搭載してテスト検証を完了する予定で、今後、顧客企業とPIMプラットフォームの標準化やエコシステムの構築に向けた協力を強化していく計画だ。
サムスン電子が開発した世界初の人工知能HBM-PIMの前後を横に配置したイメージです。
サムスン電子が開発した世界初の人工知能HBM-PIMの前後を横に配置したイメージです。
サムスン電子が世界で初めて開発した人工知能HBM-PIMの正面と背面のイメージです。
サムスン電子が世界で初めて開発した人工知能HBM-PIMの正面と背面のイメージです。

▲サムスン電子、世界初のAI HBM-PIMを開発