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サムスン電子、業界最薄のLPDDR5X DRAM量産開始

  • 1.12GBおよび16GBパッケージは厚さ0.65mm…12ナノ級DRAMを4層重ねて製造
    • バックラップなどのパッケージング技術の最適化を通じ、最薄のパッケージを実現
    • 前世代製品に比べ、厚さを約9%減少、熱抵抗を21.2%改善

  • 薄くなったことで追加スペースを確保…モバイルデバイス内部の温度制御に寄与
    • スムーズな空気の流れを促進し、温度制御を改善して高性能動作をサポート
    • オンデバイスAIの最適化…24GBおよび32GBの大容量パッケージを最薄に開発することを目標

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サムスンLPDDR5X DRAMの前面と背面を示す画像
サムスンLPDDR5X DRAMの前面と背面を示す画像

サムスン電子は、業界最薄の12ナノ LPDDR5X DRAM 12GBおよび16GBパッケージの量産を開始し、低電力DRAM市場での技術リーダーシップを確立しました。
 

本製品は厚さ0.65mmで、現存する12GB以上のLPDDR DRAMの中で最も薄いものです。

 スマートフォンの内部構造を横から見た図で、0.65mmの薄さのLPDDR5X DRAMチップを強調し、空気の流れを示す矢印でその熱管理を表しています。
 スマートフォンの内部構造を横から見た図で、0.65mmの薄さのLPDDR5X DRAMチップを強調し、空気の流れを示す矢印でその熱管理を表しています。

サムスン電子は、業界最薄の12ナノLPDDR DRAMを4層積層し、パッケージ技術、PCBおよびEMC技術の最適化を通じ、前世代製品に比べて厚さを約9%減少させ、熱抵抗を約21.2%改善しました。

*4層(Stack)構造: LPDDR DRAMチップ2個が1層として、合計4層でパッケージされています。

*EMC(Epoxy Molding Compound): 湿気、熱、衝撃などの外部環境から半導体回路を保護する回路保護材料です。
 

さらに、パッケージ工程の一つであるバックラップ(Back-lap)技術を最大限に活用し、ウェハーをできる限り薄くすることで、最薄のパッケージを実現しました。

*バックラップ(Back-lap)工程: ウェハーの裏面を研磨して厚さを薄くする工程です。
 

本製品は、薄くなった分だけスペースを拡大し、スムーズな空気の流れを促進してデバイス内部の温度制御に寄与します。

超薄型のLPDDR5X DRAMチップを指先で軽く触れている様子
超薄型のLPDDR5X DRAMチップを指先で軽く触れている様子

一般的に、高性能を必要とするオンデバイスAIは、発熱によりデバイスの温度が一定の範囲を超えると、性能を制限する温度制御機能(Throttling)が作動します。

*温度制御機能(Throttling): デバイスが過剰に加熱されると、デバイスの損傷を防ぐために、クロックや電圧を強制的に低下させるなどして発熱を抑える機能です。
 

本製品を搭載することで、発熱による温度制御機能の作動を最大限に遅らせることができ、速度や画面の明るさの低下など、デバイスのパフォーマンス減少を最小限に抑えることができます。

 

超薄型のLPDDR5X DRAMチップを側面から見た図で、縦に立てて定規に沿わせ、その厚さを正確に測定している様子を強調しています。
超薄型のLPDDR5X DRAMチップを側面から見た図で、縦に立てて定規に沿わせ、その厚さを正確に測定している様子を強調しています。

サムスン電子は、今後6層構造の24GBおよび8層構造の32GBモジュールも、最も薄いLPDDR DRAMパッケージとして開発し、オンデバイスAI時代の顧客ニーズに最適化されたソリューションを引き続き提供する予定です。
 

サムスン電子メモリー事業部商品企画室長のべ・ヨンチョルは、「高性能オンデバイスAIの需要が増加する中で、LPDDR DRAMの性能だけでなく、温度制御の改善能力も重要になっています。サムスン電子は、既存製品よりも薄い低電力DRAMを継続的に開発し、顧客との緊密な協力を通じて最適化されたソリューションを提供していきます」と述べました。
 

サムスン電子は、今回の0.65mm LPDDR5X DRAMをモバイルアプリケーションプロセッサおよびモバイル業界に適時供給し、低電力DRAM市場をさらに拡大していく予定です。