使う量を減らし、
再利用し、
リサイクルする
水資源管理

2019年に水の使用量を大幅に削減した華城事業所は、2020年、グローバル半導体業界で初めて英国のカーボントラスト(The Carbon Trust)から「ウォーターフットプリント」認証を取得しました。 ウォーターフットプリント認証は、3年間事業所で使用する水の量と管理のためのマネジメントシステムを総合的に評価して授与されます。 サムスン半導体華城事業所がウォーターフットプリント認証を取得したのは、グローバル半導体業界で初めて「水の使用量を削減した事業所」として認められたもので、大変意義深いものです。
これにとどまらず、2023年には韓国・華城事業所が、2024年には韓国・器興、平沢事業所と中国西安事業所が、AWS認証で最高評価を取得しました。

烏山川は、長さ約15㎞の京畿道龍仁から平沢にかけて流れる国の直轄河川です。 サムスン半導体の製造工場がある器興事業所から放出する水が流れる河川でもあります。 以前の烏山川は、「水かさが減り悪臭を放つなど、野生動物が生息しにくい環境」でした。

水量を増やすために、サムスン半導体は2007年から環境団体と協力して器興事業所から夏季基準で毎日4万5000トンの水を放出し、清流に生息するカワウソが烏山川で家族をつくるほどきれいな環境を実現しました。 半導体製造工場のある器興事業所が放出した水は、どのようにカワウソを呼び戻したのでしょうか。

サムスン半導体は、製造過程で使用する水を最小限にし、使用後の水は浄化して最大限再利用できるよう努めています。 水の再利用率を高めるために、事業所ごとに水資源を汚水、排水、プロセス用水、超純水の項目に分類して管理し、毎月、各法人は各項目の再使用量をグローバルグリーンマネジメントシステムに入力します。

また、地下水汚染防止施設を事業所に設置し、汚染を予防しています。 放出水は、社内外の処理施設を利用して安全に処理しています。 河川に水を放出する前は、法的基準よりも厳しい社内基準を適用し、TMS(Tele-Monitoring System)を通じてリアルタイムで放出水の水質を測定した後、データを韓国環境公団に送っています。

サムスン半導体は、事業所の運用の最適化や老朽設備の更新、運営基準の改善といった日常的な削減の取り組みと、製造工程の改善やリサイクルシステムの構築といった構造改善の取り組みを通じて、水のリサイクル率を最大化しています。 平沢事業所は、数年かけて大規模な新規の水設備を設置し、設備運転の効率化と既存の削減対策を適用した中長期の水削減目標を策定しました。

2020年、サムスン半導体の韓国事業所では1日あたり14.7万トンの水を再利用しました。 これは、2019年に比べて6％増加した量です。 サムスン半導体は、プロセスの制御値の変更や排水処理方式の変更、運用の最適化などを通じて「前年比2％の水削減目標」を上回る3,844トンの1日あたり水削減量を達成しました。

サムスン半導体事業所は、常にプロセスの改善を行い、薬品の代替物質を発掘しています。 特に、排水処理薬品を新規開発し、有害化学物質から非有害化学物質に切り替えています。 これにより、有害化学物質の取扱量が減少しています。 2020年には、2018年に比べて有害化学物質の取扱量が約18％減少しました。