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第4弾、ウェハに回路を転写するフォト工程

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サムスンセミコンストーリー:半導体8工程-フォトリソグラフィ、ウェハー上に回路描画
サムスンセミコンストーリー:半導体8工程-フォトリソグラフィ、ウェハー上に回路描画

前回は、酸化工程と集積回路についてご紹介しました。 今回は、ウェハ上に半導体回路を転写するフォト工程(Photo)について見ていきます。 フォト工程は、フィルムカメラで写真を撮る仕組みに似ています。 どのように似ているのか、見てみましょう。

白黒写真の印画のようなフォト工程

通常、フォトリソグラフィ(Photo Lithography)を短くしてフォト工程(Photo)といいます。 この工程は、マスクに描画された回路パターンを光を使ってウェハ上に転写することから名づけられました。 ここでパターンを形成する方法は、白黒写真を作るとき、フィルムに形成された像を印画紙に焼き付けるのと似ています。 半導体は集積度が高くなればなるほど、チップを構成する単位素子もまた微細工程を利用して小さくする必要があります。 微細な回路パターンを作るにはフォト工程が重要になるので、集積度が高まるほどフォト工程の技術も精緻になり、高い技術力が求められます。

ウェハに回路パターンを描く準備段階

では、本格的にフォト工程がどのように行われるのか、説明します。 まず、コンピュータシステム(CAD, computer-aided design)を利用して、ウェハに描き込む回路を設計します。 電子回路パターン(Pattern)で設計されるこの図面にエンジニアが設計した精密回路を描画し、その精密度が半導体の集積度を決めます。

写真原板の役割をするフォトマスクを作成

各種alignmark、IC微細回路そしてGlass(Quartz)が板からなるフォトマスクイメージ
各種alignmark、IC微細回路そしてGlass(Quartz)が板からなるフォトマスクイメージ

▲フォトマスク(Photo Mask)

設計された回路パターン(Pattern)は純度が高い石英(Quartz)を加工して作った基板の上にクロム(Cr)で微細回路を形成し、フォトマスク(Photo Mask)を作成します。 マスク(Mask)はレチクル(Reticle)とも呼ばれ、回路パターンがそのまま刻まれたフィルムとして写真現板の機能を果たします。 マスクはさらに細かいパターニング(Patterning)のために半導体回路よりも大きく作られ、レンズにより光を縮小して照射することになります。 フォト工程は感光液の塗布、露光、現像の細部工程に分けられます。 フォト工程をさらに詳しく見てみましょう。

フォト工程、ウェハを印画紙として作る感光液の塗布

酸化膜ができたウエハーに感光液を塗布したイメージ
酸化膜ができたウエハーに感光液を塗布したイメージ

ウェハに描画する準備ができました。 次は、ウェハ表面に光に敏感な物質である感光液(PR, Photo Resist)を均一に塗る作業です。 この作業が写真の現像のようにウェハを印画紙に作り変えます。 高品質で微細な回路パターンを得るには、感光液(PR)膜が薄くて均一であり、光に対する感度が高くなければなりません。

光を通じてウェハに回路を焼き付ける露光

光を通じてウェハーに回路を描き込む露光したイメージ
光を通じてウェハーに回路を描き込む露光したイメージ

感光液(PR)の膜を形成してウェハを写真印画紙のような状態に変えた後は、露光装置(Stepper)を使って回路パターンが描かれたマスクに光を通過させ、ウェハに回路を印刷します。 この過程を露光(Stepper Exposure)と呼びます。 半導体工程における露光は、光を選択的に照射する過程をいいます。

回路パターンを形成する現像工程

回路パターンを形成する形状工程の養成と音声イメージ
回路パターンを形成する形状工程の養成と音声イメージ

フォト工程(Photo)の最後の段階は現像(Develop)で、一般写真を現像する過程と同じです。 この過程でパターンの形状が決定されるため、非常に重要です。 現像(Develop)工程は、ウェハに現像液をかけて光が当たった領域と当たらない領域を選択的に除去し、回路パターンを形成する工程です。 ウェハの上に均一に塗布された感光液(PR)は、光にどのように反応するかによりポジ型(positive)またはネガ型(negative)に分類されます。 ポジ型感光液の場合は露光しない領域を残し、ネガ型感光液の場合は露光した領域のみ残して使うことになります。 現像工程が完了すれば、すべてのフォト工程は終了です。 各種の測定装置や光学顕微鏡などを用いて、パターンが正確に描かれているかをきちんと検査した後、合格したウェハのみが次の工程に移動します。 ここまで、ウェハ表面に細かい回路パターンを焼き付けるフォト工程について見てきました。 次回は、ウェハに回路パターンを作るのに必要な部分は残し、必要のない部分を選択的に除去するエッチング工程についてご紹介します。