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第3弾、電子産業の革命! 集積回路

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サムスンセミコンストーリー:半導体の8つのプロセス-電化製品業界の啓示! 集積回路
サムスンセミコンストーリー:半導体の8つのプロセス-電化製品業界の啓示! 集積回路

半導体の中核材料であるウェハに酸化膜(SiO₂)を形成し、表面を不純物から保護する「酸化工程」を経た後は、半導体の設計回路を描きます。 爪と同じくらいの小ささで薄い半導体の回路はどのように構成されているのでしょうか。 今回は、集積回路(IC, Integrated Circuit)とはどういうものか、見ていきましょう。
ウェハおよび集積回路ダイ
ウェハおよび集積回路ダイ

小さな半導体チップの中には数千から数百万個以上の電子部品(ダイオード、トランジスタ、コンデンサ(キャパシタ)、抵抗)がぎっしりと詰まっています。 このような半導体集積回路はどのように誕生したのでしょうか。

進化の始まりを告げたトランジスタ

1947年、米国最大電話通信会社AT&T(American Telephone & Telegraph)の中央研究所であるベル研究所の研究員らは、半導体の格子構造の一片に導体線(電気が流れるのに使われる線)を接触させると電気信号が増幅することを発見しました。
左からベル研究所のジョン·バーディン,ウィリアム·ショックリー,ウィルター·ブラッテン
左からベル研究所のジョン·バーディン,ウィリアム·ショックリー,ウィルター·ブラッテン

左側からベル研究所のジョン・バーディン、ウィリアム・ショクレー、ウェルター・ブラッテン

当時は増幅器(Amplifier)という名前でしたが、その後はトランジスタ(Transistor)と呼ばれるようになりました。
集積回路内部イメージ
集積回路内部イメージ

その後、トランジスタは電子製品の中核部品としての地位を確立します。 しかし、技術の発展につれて電子製品の機能が多くなり、トランジスタや抵抗、ダイオード、コンデンサなど、接続しなければならない部分が幾何級数的に増加しました。 製品故障の主な原因は、こうした接続部分にありました。 1958年、米国テキサス・インスツルメンツ(TI)の技術者ジャック・キルビー(Jack Kilby)により、問題の解決方法が見出されました。 複雑な電子部品を精密に作り、小さな平面に印刷するように製造して、丁寧に積み上げていく方法です。 こうして誕生したのが集積回路(IC)です。

電子産業の革命、集積回路(IC, integrated Circuit)

半導体集積回路(IC)にぎっしり詰まったトランジスタ、抵抗、ダイオード、コンデンサなどの部品は互いに接続され、電気信号を演算し、保存します。 もう少し詳しく各部品の役割を見てみましょう。 トランジスタは電源を入れたり消したりするスイッチの役割を、コンデンサは電荷を充電して保管する倉庫の役割を、抵抗は電流の流れを調整し、ダイオードは信号を均等に伝える役割を担います。 半導体集積回路の製造方法は、回路素子をすべて微細で複雑なパターン(Pattern)で作り、いくつもの層の材料の中に描き入れるものです。 微細な回路を手で描くのは不可能なので、写真を撮る方式を活用しています。 この内容は、第4弾のフォト工程で紹介します。
64K DRAMのイメージです。
64K DRAMのイメージです。

集積回路(IC)の開発によって、半導体産業はさらに発展を遂げました。 各電子部品を直接接続する方式から集積回路へと変化させることで、製品はよりコンパクトになり、少ない消費電力で速い情報処理が可能になりました。 また、写真を撮る方法で作るため、大量生産が可能となり、信頼性も向上しました。 特に1960年、ベル研究所の研究員だった韓国出身の工学博士カン・デウォンとマーティン・アタラが「金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOS-FET, Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)」を開発し、集積回路が注目を集めるようになりました。 製造が難しく消費電力が大きかったバイポーラトランジスタ(Bipolar Junction Transistor)の問題点をMOS-FETの開発を通じて解決できるようになったのです。 トランジスタから集積回路(IC)やMOS-FETに至る半導体60年の歴史を振り返ると、今後変化する未来への期待も高まります。 第4弾では、このように細かい設計回路がウェハ上にどのように描かれるのか、ご紹介します。