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「Fab」の用語集.ZIP

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半導体が製造される場所のことを「ファブ(Fab)」といいます。 Fabは、製造を意味する「Fabrication」の略語で、半導体業界では半導体製造施設のことを指します。 今回の#半導体勉強会では、Fabに関する重要用語を取り上げます。 わずかな粉じんも許されない場所、クリーンルーム(Clean room)
わずかな粉じんも許されない場所、クリーンルーム(Clean room)
わずかな粉じんも許されない場所、クリーンルーム(Clean room)

半導体生産ラインの内部は、クリーンルーム(Clean room)と呼ばれています。 半導体の製造工程では、微細な粉じんや粒子の存在が半導体の品質に大きな影響を与えます。 そのため、クリーンルームは外部環境とは違う、高水準の清浄度を維持しなければなりません。 空間の清浄度を表す尺度を「クラス」といいます。 クラスは、縦・横・高さが各1フィートの立方体の空間に存在する0.5マイクロメートル(㎛)以上の粒子の数を示します。 例えば、クリーンルームのクラスが1,000の場合、0.5マイクロメートル(㎛)以上の粒子が1,000個以下存在する空間であることを意味します。 サムスン電子半導体のクリーンルームの内部には粉じんを通さない高性能フィルターが、床には格子縞の微細な穴が存在します。 上から下へと空気が循環する構造になっているため、きれいな環境が維持されているのです。
クリーンルーム必須服装、防塵服
クリーンルーム必須服装、防塵服

生産環境に最適化したラインの内部に入るには、従業員も「防塵服」という特別な服を着用する必要があります。 防塵服は、粉じんなど微細な粒子を通さないという機能だけでなく、半導体の集積回路に影響を与えうる静電気を防止する機能も備えています。 ウェハの効率的な移動を手助けする宅配ボックス「FOUP」と輸送車両「OHT」 半導体は、およそ3週間以上にわたって8大工程として知られるプロセスを数百回繰り返して誕生します。 ここで、ウェハが広いFab内で様々な設備へ効率的に移動できるよう手助けするのが、FOUP(Front Opening Unified Pod/Front Opening Universal Pod)OHT(Overhead Hoist Transport)です。
ウェハの効率的な移動を手助けする宅配ボックス「FOUP」と輸送車両「OHT」
ウェハの効率的な移動を手助けする宅配ボックス「FOUP」と輸送車両「OHT」

FOUPは、ウェハの保管や安全な移動のために製作されたもので、ウェハ配送専用ボックスに例えることができます。 そして、このボックスを必要な場所に届ける輸送車両がOHTになります。 OHTは、Fab内部でも目立つ設備の1つです。 Fabの天井に道路のように設置されたレールに沿って、ウェハが入ったFOUPを必要な設備に迅速に自動輸送します。 OHTシステムは、自動運転システムに似ています。 移動時の機器間の衝突を防止し、障害物を検知するセンサーが搭載されていて、危険が発生した場合は自動で減速して安全な移動を可能とするためです。 半導体ラインの生産効率は、OHTによって大きく改善されました。 半導体の生産ラインは、直接その中に入って体験することができないので、半導体に関心を持つ方にとって興味深い場所だと思います。 今回の記事が参考になることを願いながら、次回の#半導体勉強会でお会いしましょう。