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[MWC 2023] システムLSI事業部が未来のデバイスを支える先進的モバイル技術を発表

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MWC 2023: System LSI Unveils Advanced Mobile Technologies to Power Future Devices
MWC 2023: System LSI Unveils Advanced Mobile Technologies to Power Future Devices
世界最大のモバイル展示会「MWC 2023」が2023年2月27日にバルセロナで開催され、モバイル技術業界関係者が一堂に会しました。GSMアソシエーション(GSMA)主催のMWC 2023には、通信・接続分野から2,000以上の企業が参加し、最新の製品や技術を披露しました。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け2022年には規模を縮小して開催されました。そして2023年、コネクティビティ業界最大かつ最も影響力のある本イベントに88,000人以上が来場。来場者数はパンデミック前の水準に戻りました。 サムスン電子のシステムLSI事業部は、MWC 2023で次世代のモバイル体験をトータルパッケージにした4つの主要技術(コンテンツ認識型画像処理、NTN(非地上系ネットワーク)、Wi-Fi AwareおよびLE(low energy)Audio、D-VTG(デュアル垂直転送ゲート))を展示し、最先端のモバイル技術への取り組みを示しました。サムスン電子のパビリオンではさまざまな革新的技術のライブデモが行われました。 ◻ AIによるコンテンツ認識型ISP(画像信号プロセッサ)
コンテンツ認識型の画像処理は、AIによって加速された革新的なコンピューター写真撮影技術です。高度なNPU(ネットワーク処理装置)技術により、複雑なセマンティックセグメンテーションを低消費電力かつ低レイテンシで実現し、セグメンテーションされたオブジェクトを自動的に検出して、その情報をハードウェアISPに送信します。このソリューションにより、質感(シャープネスおよびノイズ信号)と色彩の質において、別々の領域に最適な画質を実現できます。このソリューションの対象となる被写体には、木、芝生、空、顔およびその特徴(眉毛、目、口など)が含まれます。 サムスン電子が新たに発売したExynos 1380には、高度なNPU技術と前モデルより改善されたハードウェアISPの両方が搭載され、ビデオ撮影中でもリアルタイムのセマンティックセグメンテーションを実行します。サムスン電子ブースでは、コンテンツ認識型画像処理のオン/オフモードを搭載した各種デバイスのデモを行い、来訪者にこのソリューションを直接体験していただきました。また、セマンティックセグメンテーションマップモードによるセルフィー撮影でコンテンツ認識型画像信号プロセッサが画像を部分的に認識する様子を直接確認していただくことも実演しました。 ◻ 5G衛星コネクティビティの推進役
NTNの技術革新は、通信機能の革新を可能にしました。NTNは、人工衛星など地球外の移動体を用いて、砂漠や遠洋など、これまで地上波のネットワークが届かなかった地域を結ぶ通信技術です。この新技術を導入することで、通信の死角を解消し、災害状況でも信頼性の高い通信環境が実現します。 サムスン電子は、Exynos モデム5300のリファレンスプラットフォームを用いて、低軌道(LEO)衛星との信頼性の高いNTN通信 を実現する5G NTN規格ベースの衛星技術の開発とシミュレーションを行ってきました。サムスン電子のブースでは、キーサイト・テクノロジー社と共同で5G NTNライブ接続による双方向のSMS送信とビデオストリーミングをご覧いただけるライブデモを行い、来訪者に次世代ワイヤレス通信の一部をご紹介しました。サムスン電子は、このソリューションを今後のExynos モデムソリューションに統合し、5G衛星通信の商用化を加速させる予定です。 ◻ 次世代のデバイスコネクティビティ:「Wi-Fi Aware」と「LE Audio」
サムスン電子のExynos コネクトWi-FiとBluetoothのチップセットは、RSDB(デュアルバンド同時接続) により最大3Gbpsのデータレートに対応し、2つの新しい革新的な接続技術、Wi-Fi AwareとLE Audioを提供します。Wi-Fi AwareはWi-Fi Directとは異なり、ピアツーピア接続システムのためのグループオーナーを必要としません。そのため、集中制御を必要とせず、近接するデバイスを動的に接続するのに適しており、混雑した環境でも迅速かつ簡単に接続することができます。また、近接デバイスを検知する機能により、ユーザーはニーズに合った特定の現地情報を素早く簡単に見つけることができます。これらの機能を備えたWi-Fi Awareは、パーソナライズされたモバイル体験を実現するために欠かせないかせない技術です。 次世代のBluetoothオーディオである「LE Audio」は、Bluetooth Low Energyを利用したオーディオストリーミングを実現します。Classic Audio(Basic Rate/Enhanced Data Rate)と比べると消費電力が大幅に削減されており、新たなユースケースを開拓します。Bluetooth LE Audioは、帯域幅、レイテンシ、消費電力の面でパフォーマンスが向上するように設計されています。サムスン電子のブースで行われた4つのチャネルのLE Audioのライブデモでは、1台のスマートフォンを4つのスピーカーに接続し各種オーディオファイルを同時に再生する様子をご覧いただきました。 ◻ 高度な画素技術で色とディテールを改革
サムスン電子の最先端画素技術の最高峰であるDual VTG(デュアル垂直転送ゲート)は、超高解像度を新たな水準に引き上げます。サムスン電子の最新機種ISOCELL HP2に採用されたこの技術では、フォトダイオードごとに1つしかない転送ゲートを2つに増やしたことで、明るい環境で撮影された画像の白飛びを大幅に低減します。画素サイズの縮小すると1つの画素で吸収できる電子数は制限されますが、信号の伝達効率とフルウェル容量を飛躍的に向上させた新しい技術です。ISOCELL HP2は、画素内に2つ目の転送ゲートを追加することで、従来比33%のフルウェル容量アップを実現し、色再現性を飛躍的に向上させました。 MWC 2023のおけるサムスン電子システムLSI事業部の展示では、ご来場者皆様に未来のモバイル体験の一部をご覧いただくことができました。サムスン電子は、イノベーションを推進し、お客様のニーズに効果的に応える製品を開発し、この機会を通じて第四次産業革命とスマートな未来を切り拓くために必要な最先端イノベーションについてお客様とのコミュニケーションの機会を増やしてまいります。 1. NTN衛星技術サービスが確立されている地域でのみ有効です 2. RSDBで達成可能な最大データレート