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サムスン電子、業界初の「0.56㎛」画素のモバイルイメージセンサーの量産を開始

□ 業界最小となる画素サイズ「0.56㎛」の2億画素を搭載した「ISOCELL HP3」量産
- 従来にくらべサイズを12%小型化し、カメラモジュールの面積を最大20%削減
- 今年度第3四半期から顧客企業向けに出荷する予定
□ イメージセンサーの先端技術を数多く採用… 常時高画質での撮影が可能
- 「スーパーQPD」技術により2億画素を実現し、オートフォーカス機能を搭載
- 「テトラスクエアピクセル」技術を用いて、低照度下でのビッグピクセル効果を実現
- 「スマートISOプロ」技術の向上により、色深度の範囲が約64倍

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サムスン電子が、業界最小となる画素サイズ0.56㎛(マイクロメータ)の2億画素を搭載した超高画素モバイルイメージセンサー「ISOCELL HP3」の量産に乗り出した。 サムスン電子は昨年9月、業界で初めて0.64㎛の2億画素モバイルイメージセンサーを発売したが、今回0.56㎛画素バイルイメージセンサーの量産に乗り出したことで、超小型・高画素モバイルイメージセンサー市場をリードしている。 HP3は従来モデルより12%小さくなった画素サイズで、スマートフォン向けカメラモジュールの面積を最大20%まで削減できるため、スマートフォンのデザインの利便性を高める。 また、この製品にはイメージセンサーの先端技術が多く採用され、以前のモデルに比べて様々な性能向上が実現された。 特に、HP3には「スーパーQPD(Quad Phase Detection)」技術が採用され、自社製品で初めて2億個のすべての画素にオートフォーカス機能が搭載された。 また、4つの画素ごとに1つのマイクロレンズが採用される「スーパーQPD」の特性により、左右だけでなく上下の位相差も測定することができ、以前よりも高速かつ正確なオートフォーカス機能を提供する。 また、撮影環境に応じて4つまたは16の隣接画素を1つに組み合わせる独自技術の「テトラスクエアピクセル(Tetra²pixel)」も採用した。 この技術は暗い環境や光量の少ない室内など、低照度の環境下において1.12㎛(5000万画素)または2.24㎛(1250万画素)のビックピクセル並みの受光面積を確保し、鮮明な写真が撮れる。 また、高画質な動画の撮影時に写真撮影と同じ画角で損失なく、1秒あたり30フレームの8Kまたは120フレームの4K高解像度の撮影をサポートする。 この製品には「スマートISOプロ」技術が採用され、低照度性能が強化された。 以前の製品では暗い部分と明るい部分の画像が混在したシーンの撮影時に高感度(High ISO)と低感度(Low ISO)の2つのモードが活用されたが、今回の製品は強化された高感度(High ISO, Mid ISO)モードにより、より豊かな色表現が可能だ。 これにより従来の12ビット(687億色)の色深度の範囲を約64倍広げた14ビット(4兆色)を提供し、より豊かな色表現が可能だ。 ※ 色深度: 1つの画素が表示可能な色数 この他にも、複数の明るさが混在した状況で短時間露光、中間露光、長時間露光の合計3つのフレーム情報を短時間でモバイルAPに転送して合成する「スタッガードHDRスタッガードHDR(Staggered High Dynamic Range)」機能も搭載され、綺麗で鮮やかなイメージ生成をサポートする。 サムスン電子システムLSI事業部センサー事業チームのイム・ジュンソ副社長は「サムスン電子は超小型画素技術のリーダーシップで超高画素イメージセンサーのトレンドをリードしている」とし、「ISOCELL HP3は業界最小となる0.56㎛画素、「スーパーQPD」、「テトラスクエアピクセル」など最新技術が集約された製品で、スマートフォンでプロ並みの写真を撮れるようにサポートする」と述べた。 今回の製品は今年第3四半期から企業向けに出荷が開始される予定だ。