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水ストレス克服のためにサムスン電子が見つけた答え

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「地球は青かった」という言葉を残した人類初の宇宙飛行士ユーリイ・ガガーリンが見た地球の第一印象は、青い星そのものだった。表面の2/3が水で満たされ、青く輝く水の惑星、地球。しかし、現在の地球は「水不足」問題に直面している。青い水の惑星地球に何が起こったのだろうか。地球上に存在する水は97%以上が海水であり、2%が氷河である。したがって、たった1%の水だけが私たちの日常生活に使われている。問題は、この1%の水が、気候変動、環境汚染、人口増加などにより不足し、「水ストレス」が高くなるということだ。「水ストレス」とは、年平均で使用可能な水資源量に占める水の需要量の割合を数値化したもので、ストレス指数が高いほど、深刻な水不足を経験していることを示す。

水なくしては持続できない半導体エコシステム
水ストレス問題は一国に限ったことではないため、国際機関や政府など様々な利害関係者が水資源管理戦略を協議し、各国の協力を促すために取り組んでいる。代表的な例としては、国連が毎年3月22日を「世界水の日」に指定し、水不足の深刻さに対する認識を高めるキャンペーンを実施している。今や企業も水資源問題に責任感を持ち、持続可能な経営を迫られている。 こうした世界的な流れは半導体業界も例外ではない。半導体製造工程の様々な段階において多くの水が使用され、特にウェハを洗浄する工程では高度に精製された超純水が使用される。超純水とは、一般的な水から水分子を構成する水素と酸素だけを残し、微粒子や微生物などの不純物を除去した水である。ごくわずかな不純物でも半導体の生産と品質に影響を及ぼすことから、極度に精製された超純水が使用され、「超純水は半導体の命の水」と言われるほど非常に重要である。半導体を製造するためには、こうした超純水を含め、1日に数十万トンの水が必要になるため、水資源の確保は非常に重要な課題である。 サムスン電子が見つけた答え、「協力」と「技術」 急増する半導体需要に合わせ、サムスン電子もライン増設を計画しており、2030年には事業所に必要な工業用水が現在の2倍以上になると予想される。しかし、サムスン電子は取水量の増加を最小限に抑えながらも、安定した工業用水を確保できる多様な解決策を模索してきた。 | 1 | 下水処理水の再利用 工業用水を確保するためには、自然から水を取水する方法と、すでに使用した水を再利用する方法がある。 サムスン電子は、公共下水処理場から河川に放流する放流水を再利用して、工業用水として活用する計画である。 このため、22年11月に、韓国の環境部、京畿道と5市(水原市、龍仁市、華城市、平沢市、烏山市)、韓国水資源公社、韓国環境公団と下水処理水の再利用の活性化に向けた業務協約を締結した。 公共下水処理場の放流水を通じて供給される工業用水の量は、1日約40万トン、年間1億5000万トンに達する。これを通じて自然の水を枯渇させず、工業用水を最大に確保することで、水ストレス緩和に貢献することが期待される。
'八堂ダムから始まり, 必要な量の水の使用, 廃水処理, 放流に至る水の循環過程を示すインフォグラフィック. 公共下水処理場で処理した下水を内部で再利用する '八堂ダムから始まり, 必要な量の水の使用, 廃水処理, 放流に至る水の循環過程を示すインフォグラフィック. 公共下水処理場で処理した下水を内部で再利用する '八堂ダムから始まり, 必要な量の水の使用, 廃水処理, 放流に至る水の循環過程を示すインフォグラフィック. 公共下水処理場で処理した下水を内部で再利用する
| 2 | メンブレン技術 前述の下水再利用水を工業用水として使用するためには、メンブレン技術の導入が必要である。メンブレン技術は、水を精製する高度なろ過技術の一つである。メンブレンには非常に微細な穴があり、これより小さい水分子は通過し、ミネラルや微生物など、様々な不純物といった大きな物質はろ過される仕組みである。
'自治体との協業により確保した公共下水処理場放流水を膜技術を活用して工業用水としてリサイクルする浄化方法 '自治体との協業により確保した公共下水処理場放流水を膜技術を活用して工業用水としてリサイクルする浄化方法 '自治体との協業により確保した公共下水処理場放流水を膜技術を活用して工業用水としてリサイクルする浄化方法
他にも、サムスン電子では、取水量の増加を抑えるために、事業所運営の最適化、老朽化した設備の交換などの日常的な削減取り組みとともに、製造工程の改善や再利用システムの構築などの構造改善の取り組みを通じて、用水の再利用率の最大化に努めている。
革新的技術によるAWS水資源管理認証の最高評価を取得 サムスン電子の徹底した水資源管理能力は、国際的にも認められている。水資源管理能力を総合的に評価する「水管理同盟(AWS:Alliance for Water Stewardship)」から、韓国の器興、華城、平沢事業所と中国の西安事業所が最高評価である「プラチナ」認証を取得した。AWS認証は、安定した水管理、水質汚染物質管理、流域内の水生態系への影響など、計100項目の評価結果に応じて、最高評価のプラチナから、ゴールド、コアまで3つのレベルに区分される。厳格な検証段階を経るだけに、初めての試みでプラチナ認証を取得したことは非常に異例のことであり、サムスン電子半導体の水資源管理能力が国際的な基準から見ても最高レベルであることを証明した結果である。 サムスン電子半導体は、これからも「2030年水の使用量増加ゼロ化」という2021年の水の使用量水準以下を維持する目標の達成に向けて、持続可能な技術を開発・適用し、半導体エコシステムをリードするために努力を続けていく考えである。