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セーフフォーラム2022で説明された、統合的でトータルなデザインソリューションに向けてのサムスンファウンドリーの野望

この記事は、サムスン電子のセーフフォーラム2022からの技術セッションのプレゼンテーションに基づき、ファウンドリービジネスに関して掘り下げたシリーズの一部です。これは重要なSAFEエコシステム技術と進歩に関する専門家の観点を共有するものです。

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技術が進化すればするほど画一的なアプローチはますます捉えにくくなります。素晴らしいアイデアは決して包括的なソリューションの衝動により、束縛されるべきではありません。しかし同時に、野望を達成するために会社は自由になる必要があり、最も素晴らしいイノベーションであっても、どんなニーズが起きても応じられる見識と柔軟性を得るために頼ることができるファウンドリービジネスが必要です。先駆的な技術が、自動車からモバイル、そして、IoTからHPCやAIまで、あらゆる方向に限界を押し上げている将来において、一箇所であらゆるものをまとめることができるファウンドリーを構築することは可能でしょうか。 サムスンファウンドリーは何年もの間この質問に答える努力をしてきており、サンノゼの2022年10月のサンノゼでのセーフフォーラムで、MJ Noh氏が登壇し、会社がどのようにそれを達成しつつあるかについての最新情報を示しました。韓国のサムスンファウンドリー本部でファウンドリー設計業務チームの責任者であるMJ氏は、サムスン電子の高度な設計プラットフォームが2.5Dや3Dソリューションなどの技術を活用して、未来のアイデアの規模と特性に応じられるとわかっているターンキーサービスを顧客へ提供しているかを取り上げました。 一つ屋根の下でトータルな設計ソリューションを構築 以前のフォーラムでは、サムスン電子は、自動車におけるAEC-Q100認証やASIL規格の準備ができていることなど、自動車、モバイル、IoT、AIにおけるデザインプラットフォームの強力で幅広い機能がある多数の分野に集中してきました。一方で、HPCアプリケーションは特に速く成長してきており、ファウンドリー業界は解決策を求めてチップレットアーキテクチャのダイナミックなモジュール性に期待しています。これらすべての領域でサムスン電子は協働するプラットフォームを探す際には、顧客の優先順位を配慮します。つまり、DTCO (Design Technology Co-Optimization)やSTCO (System Technology Co-Optimization)などの、最適化された生産サイクルと競争力のあるパワー、パフォーマンス、エリア(PPA)機能により、市場への投入時間がさらに短縮されます。最終的に、ファウンドリーには、要求されるサードパーティーの専門性なしに、先端設計能力のワンストップショップの一環としてすべてを提供する能力が必要です。もちろん、これをすべてを提供することは簡単なことではありません。 「伝統的なチップ設計方法は高コストと統合要因により限界に面しています」と、MJ氏は言いました。「ケイ素が拡大しているにもかかわらず、トランジスタの数は増加し続けており、レチクルサイズの可能な最大限界を押し上げる一方で、トランジスタのようにさまざまな機能を持つ統合チップへの需要は高まり続けています。これは設計と製造の両方で深刻なコストの問題を引き起こします。」 結果として、MJ氏の説明では、トランジスタのサイズのスケールダウンではアプリケーションの増大する複雑さを実現するには決して十分なはずはなく、2.5Dと3Dチップレットソリューションの絶え間ない進歩のおかげで、これがサムスン電子がリードしている分野です。
2.5Dと3Dの現在と将来 費用対効果と汎用性のおかげで、2.5Dソリューションは顧客のさまざまな要件に応じる申し分のない立場にあり、サムスン電子はそれらのソリューションを素晴らしい水準にて提供する準備ができています。 「パワー統合ソリューション用に、当社はマルチプレート・メタル・インシュレーター・メタル(MIM)キャップと統合スタックキャップ(ISC)を提供します。」と、MJ氏は言いました。「IPソリューション用に、高帯域幅ダイ・トゥ・ダイIPがすでに実際にケイ素で立証されており、当社のHBM3ソリューションは最大8Gbpsで実行すると評価されてきました。」 しかし、本当にわくわくするものはフル3Dソリューションの中にあると、MJ氏は言及しました。 「この3Dアプローチでは、大きなダイを小さいダイに分割することにより製造歩留まりの向上が可能になります。」としました。「ダイとIPの再利用により、全体的な設計コストを削減できる一方で、相互接続が短くなることはより速い性能とより少ない遅延を意味します。3Dスタッキングは、並んでチップレットを配置する場合より、さらに小さいフォームファクタを達成できることは明らかです。」 シリコン貫通電極(TSV)のコストと、3D垂直スタッキングで発生するさらに高い発熱密度など、3D設計の注目すべき課題のリストとそれらの可能なソリューションの概略を述べた後、MJ氏はどのようにサムスン電子がそれらをすべて成功させることができるかに対する説明を続けました。 「TSV設計の影響を最小化するために、当社はさまざまなTSVバンドルを提供します。」と、MJ氏は詳しく説明しました。「3D向けのパワー統合ソリューションに関して、当社はさまざまなTSV計画と最適なPPAに配慮したPDNを提供し、有害な熱の影響を緩和するために、Thermal Explorerを開発してきました。これは、熱に配慮した間取り図に役立つサーマル・ヒート・マップを提供します。」
サムスン電子の3D ICのジャーニー 最後に、MJ氏はサムスンファウンドリーの全体的な3D ICのジャーニーを説明しました。設計の各段階に関わることで、サムスン電子は自分たちが顧客のニーズに確実に直接感情移入し、ソリューションを探す間に顧客と完全に歩調が合っています。 「当社はSAINT-SというSRAMスタッキングチップをすでに開発しており、現在、当社はSAINT-Lというロジックスタックチップの開発途上です。」、「まもなく、当社はSAINT-Dに取り組み、DRAMスタッキングを扱います。」と説明しました。 大きなダイの領域では、サムスン電子は800mm2を超えるかなりのサイズのチップを開発してきている一方で、チップレットは巨大なインターポーザダイ上で8個のHBM3チップを統合するように設計されてきましたと、MJ氏は説明しました。一方、自動車の安全性とセキュリティの分野では、いくつもADASチップがすでに大量生産されています。 「当社のプラットフォームは、皆さんのアイデアを実現する上で役立ち、皆さんは大いに自信を持ってできます。」と、MJ氏は締めくくりました。「皆さんのより早い市場投入、最適な性能と競争力のあるコストを享受できるよう、当社の顧客ならびに9社の設計ソリューションパートナーは、これらのプラットフォームに完全にアクセスできますと強調したいです。」 顧客もパートナーも同様にお礼を言い、MJ氏はサムスンファウンドリーの設計環境における汎用性と包括性に向けた輝く未来を確信していました。将来のさらなるイノベーションにより、未来の生活を変える技術を育むサムスン電子の業務は決して終わりません。