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Exynosモデム5400:FR1のみで世界初の11.2Gbps1) の5G通信速度を実現

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Exynosモデム5400
Exynosモデム5400
今や5Gは、私たちの生活に普及しています。5Gは、驚異的な高速、超低レイテンシ、大容量帯域幅を通じて携帯電話のワイヤレス接続を強化する第5世代移動通信システムです。実際、レイテンシは1ミリ秒以下に短縮され、ほぼ瞬時の接続が可能になります。ユビキタスコネクティビティに定義される未来を実現するためには、最高レベルのパフォーマンスを発揮できる5G技術が欠かせません。果たして、これは近いうちに実現できるでしょうか。サムスンはExynosモデム5400を設計し、FR1のみで11.2Gbpsの速度を実現しました。 Exynosモデム5400が限界をどう乗り越えているかを理解する上で、5G通信の仕組みを把握することは役に立ちます。5G標準で定義されている周波数範囲(FR)には、FR1とFR2の2つがあります。FR1には410MHz~7.125GHzの周波数が含まれている一方、FR2には24.25~52.6GHzの周波数が含まれています。最大チャネル帯域幅は、それぞれ100MHzと400MHzとなります。通常、周波数帯域が高いほどチャネル帯域幅が広くなり、データ転送速度が向上することから、5Gの初期には、ミリ波(mmWave)通信としても知られているFR2周波数帯が注目されました。 しかし、状況は変わりつつあります。転送信号は、転送媒体を介して伝搬するにつれて、徐々に弱くなります。これは信号の減衰現象と言います。周波数帯域幅が高くなるほど、信号の減衰は大きくなります。信号の減衰が大きくなると、セルカバレッジの信頼性が低下します。信号の減衰によって発生するカバレッジ問題の解決には多くの課題があるため、5G通信においてFR1の注目度がますます高まっています。FR1にシフトするためには新たな考え方が求められますが、サムスンはこうした革新を成し遂げてきました。サムスンは、3GPP標準に完全に準拠した世界初2)の商用LTEドングルと5Gモデムチップセットの両方を発表しました。 Exynosモデム5400は、この革新的な遺産をもとに端末モデム業界で初めてFR1周波数帯域のみを使用し、最大11.2Gbpsのデータ転送速度を実現しました。いかにしてこれが可能になったのでしょうか。その背景には、高度なキャリアアグリゲーションと変調・復調技術の適用があります。 5Gモデムはキャリアアグリゲーション技術を通じて、異なる周波数帯を単一の周波数のように使用することができます。これにより、データ転送速度が向上し、接続が改善されます。 図1に示すように、Exynosモデム5400はFR1周波数帯域で、3つのコンポーネントキャリアによる100MHzチャネル帯域幅と2つのコンポーネントキャリアによる40MHzチャネル帯域幅を組み合わせます。これを通じて、端末業界初となる380MHzの総帯域幅を提供することができました3)。特に、FR1の380MHz帯域4)におけるノキアの基地局装置間の相互接続性テストに合格し、エンドツーエンド(E2E)検証を完了しました。この成果により、モデムが商用化された場合、印象的な実速度を提供することで、ユーザーに驚異的な高速体験を提供することができるものと期待されています。
図1 複数のチャネル帯域幅の組み合わせを実現 図1 複数のチャネル帯域幅の組み合わせを実現 図1 複数のチャネル帯域幅の組み合わせを実現 図1:複数のチャネル帯域幅の組み合わせを実現
5G通信のためには、0と1で表されるデジタルデータを無線信号に変換・復元することが欠かせません。このプロセスを行う技術は変調・復調と呼ばれ、周波数や位相、振幅などの信号属性を変調し、情報を転送する方法を指します。一般的な変調技術には、直交位相偏移変調(QPSK)と直交振幅変調(16QAM、32QAM、64QAMなど)があります。QAMの数字は信号点の数を表し、16QAMは図2のコンステレーションに示すように、位相と振幅が異なる16の信号点を持ちます。
図2 16QAMコンステレーションダイアグラム 図2 16QAMコンステレーションダイアグラム 図2 16QAMコンステレーションダイアグラム 図2:16QAMコンステレーションダイアグラム
QAM方式は信号点の数が多いほど、一回に運べるビット数が多くなり、より高速なデータ転送を実現します。ところが、同じ電力で信号を転送し、コンステレーション上の信号点が近いほど、通信エラーが多く発生します。そのため、信号点の数が多くなると、通信エラーが増加します。 Exynosモデム5400は、通信エラーを抑えながら、信号点の数を増やすことができます。5Gの変調・復調技術において256QAMの使用に限界がありましたが、3GPP Release 17では、より安定した無線チャネル環境におけるデータ転送効率の向上を目指し、FR1周波数帯域に1024QAMを新たに追加しました。1024QAM方式は、既存の256QAMに比べ、効率が25%向上したデータ転送を実現します。だが、端末が滞りなく1024QAMに到達するためには、モデムベースバンドと無線周波数集積回路(RFIC)が256QAMよりも高い信号対雑音比(SNR)で動作できるようにする高度な設計技術が求められます。Exynosモデム5400は、これを可能にします。 FR1に対する5Gの業界の関心が高まっている中、Exynosモデム5400はFR1のみを使用し、画期的な11.2Gbpsのデータ転送速度を実現しました。この達成に向けて、380MHzの帯域幅に達するためにキャリアアグリゲーションを使用し、より多くの周波数帯域を組み合わせるとともに、1024QAM技術に基づいてより多くの信号点を持つ変調方式が必要になりました。サムスンは、高速かつ高性能のワイヤレス通信を実現したこの製品を通じて、高度な設計技術力を改めて証明しました。 Exynosモデム5400は、優れたFR1専用データ転送速度でコネクティビティの定義を新たに与えました。これはFR1の周波数帯域のカバーを目指す移動体通信事業者にとって、大本命となります。確かに歓迎されるはずです。サムスンは、5Gコネクティビティの技術的限界を乗り越え、世界中のスムーズなコネクティビティに対する基準を高めています。
* 表示されている全ての画像は説明のみを目的としており、実際の製品または製品とともに撮影された画像とは異なる場合があります。すべての画像はデジタルで編集、修正、補正されています。
1) 業界の公表日によります。レートは1024QAMを使用した物理層(PHY)スループットの社内試験結果に基づきます。 2) 業界の公表日によります。 3) 業界の公表日によります。 4) ノキアのテストは256QAMのみで行われ、エンドツーエンドのデータレートは6.5Gbpsを実現しました。 1024QAMの社内試験で最大11.2Gbpsの物理速度を実現しました。 5) 第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)は、7つの電気通信標準開発組織を統合し、携帯電話通信技術の包括的な仕様と移動体通信の完全なシステム記述を提供します。