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ディスプレイイノベーションの推進: 22nm モバイルディスプレイドライバIC、低消費電力が標準となる

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モバイルディスプレイドライバICにおける22ナノプロセス技術の紹介

2024年、半導体業界では最新の超微細プロセスを実現するための熾烈な競争が議論の中心になっています。 3ナノプロセス技術は、市場では比較的新しいものですが、業界と大衆はすでに2ナノ技術の未来に目を向けているようです。

このような背景で、サムスンシステムLSIは22ナノプロセスを導入したスマートフォン向けのディスプレイドライバIC(DDI)を設計・開発し、量産しています。 22ナノは2ナノと比べて大きく見えるかもしれませんが、DDI業界では先進的なノードです。 これは市場で使用される半導体の種類が多岐にわたるためであり、超微細プロセスを必要としない製品には28ナノ及び45ナノのプロセス技術が適用される場合が多いためです。 このような状況の中で、サムスンは業界で初めて22ナノプロセスを使用したモバイルDDI(mDDI)の設計、開発、商品化に成功した企業で、市場主導者としての役割を再確立しました。

 

電力効率性と機能性を兼ね備えた22ナノmDDI

22ナノプロセスを進める際に大事なことは、消費電力の削減に向けた市場の推進であり、これは引き続きDDI設計の重要な考慮事項となっています。 サムスンシステムLSIは、この目標を達成するために当初からmDDI用の22ナノプロセスを研究開発してきました。 オンデバイスAIなどのモバイル機能に関する人気が高まるにつれ、アプリケーションプロセッサ(AP)以外のコンポーネントに対する電力削減の必要性が高まっています。 特に業界では、ディスプレイ画面の電力消費量が高いため、電力消費量を削減することが重要な事項だと判断しています。 

また、一般的により多くの電力を消費する高解像度及び高いフレームレートを備えた高品質のディスプレイは、このような市場のニーズを満たしながらも低消費電力化を成し遂げなければなりません。 WQHDモバイルディスプレイは今や120Hzをはるかに超えて165Hz以上のフレームレートを必要としており、折りたたみ式ディスプレイでは十分なピクセル密度を実現するために、より高い解像度が必要となります。

考慮すべき事項は他にもあります: 既存のイメージ品質機能であるOLEDムラ補正1とクロストーク2補正が必須となり、アンダーパネルカメラやプライベートモードなどの新機能が実装されています。 その結果、DDI回路の複雑さは処理すべきデータの量とともに増加し、電力の消費量もさらに増えることになります。

モバイルディスプレイがここまでの水準の高度な技術に進化したということは、ユーザーにとって素晴らしいことですが、同時にDDIの消費電力を削減するソリューションがこれまで以上に重要になっているという意味でもあります。 このような理由から、システムLSIの22ナノプロセスと消費電力の削減に対する設計技術が、タイムリーに市場に投入されています。

 

モバイルDDIでより高い電力効率を求める市場要因
1: モバイルDDIでより高い電力効率を求める市場要因
モバイルDDIでより高い電力効率を求める市場要因
1: モバイルDDIでより高い電力効率を求める市場要因

 

最先端の22ナノ研究に基づく次世代のmDDI製品 

前述のように、22ナノプロセス技術は、一般的にプレミアムスマートフォン向けのmDDI製造に使用される28ナノプロセスのロジックプロセスを縮小します。 より微細なノードのおかげで、ロジックの電力を約30%(1V~0.8V)削減し、ロジック領域も10%削減できます。

システムLSIは、2021年から2022年にかけて業界一の22ナノプロセスの予備研究を開始し完了した企業です。 研究の結果によると、サムスンの同等レベルのICと比較した時、22ナノプロセスではロジックの電力が約20%削減されることが確認されました。 22ナノICに関する認定試験も完了し、次世代製品の量産への適用に向けた基盤が整いました。

 

デザインの改善、消費電力の削減

システムLSIでは、22ナノプロセスの電力削減というメリットに加え、さらに約12%の電力削減が可能な低電力設計キットを開発しました。このキットは、 回路作動中のクロックトグルを最小限に抑え、同じ動作を実行する場合も動的電流を削減します。 これは22ナノプロセスとともにロジック電力の削減効果を最大化させます。

さらに、システムLSIはクロックゲーティング3の幅広い採用により、ディスプレイの状態に応じてフレームレートを変更する可変リフレッシュレート(VRR)に適した低消費電力ソリューションを提供しています。 VRRの使用により、ディスプレイを120Hzから1Hzまで自在に可変でき、28ナノプロセスで製造された以前のモデルと比較した時、120Hzでは約38%、1Hzでは約45%のロジック電力削減が確認されています。

 

28ナノプロセスと比較した22ナノプロセスの省電力効果
2: 28ナノプロセスと比較した22ナノプロセスの省電力効果
28ナノプロセスと比較した22ナノプロセスの省電力効果
2: 28ナノプロセスと比較した22ナノプロセスの省電力効果

 

市場で実証された電力効率の進歩

サムスンのmDDIは、22ナノプロセスを始めて採用し、この技術の優れた電力効率を実証しました。 新モデルは、より微細なプロセスと低電力設計キットを適用したことで利点を活かし、以前の28ナノベースのモデルと比較してロジック電力を38%削減しました。 これにより、ICの電力は16%削減され、バッテリー寿命がさらに1時間増加する効果をもたらしました。4このような初期の成果を基に、22ナノプロセスも量産化に成功し、折りたたみ式デバイス用のmDDIに適用されました。 この2つの成果は、mDDI製品のラインナップが前向きな軌道を描いていることを示しています。

サムスンシステムLSIは、これからも先進的なプロセスをいち早く採用できるよう最善を尽くすとともに、DDI製品における技術的リーダーシップを維持するために努力します。 また、低電力製品のさまざまな要求を満たすために当社の設計技術を継続的に発展させ、最終的にはユーザーエクスペリエンスを向上させる製品とテクノロジーを生み出すことを目標としています。

 

*表示されているすべての画像は説明のためのものであり、製品を正確に表しているわけではありません。 画像はデジタル編集、修正、または補正されました。

*すべての製品仕様は社内テストの結果を反映しており、ユーザーのシステム構成によって異なる場合があります。 実際の性能は使用条件や環境によって異なる場合があります。 


1) ムラ効果はクラウディングとも呼ばれており、画面の照明が不完全であるため生じる不均一な表示を表します。
2) クロストークとは、接しているピクセル間の不要な光干渉を指します。
3) DDIのクロックゲーティングとは、消費電力を減らし、エネルギー保存を改善するために回路をオフにする省電力技術です。
4) ビデオの再生時間を基に、バッテリーの寿命が26時間から27時間に増加したことが検証されました。