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第1弾、「ウェハ」とは何でしょうか。

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SamsungSemiconstory:半導体の8つのプロセス-ウェハとは?
SamsungSemiconstory:半導体の8つのプロセス-ウェハとは?

私たちは24時間、半導体なしで生活できるでしょうか。 スマートフォンやノートパソコンはもちろん、自動車、テレビ、クレジットカードなど、あらゆるところに半導体が入っているので、おそらく難しいでしょう。 では、私たちの暮らしに欠かせない半導体は、どうやって作られているのでしょうか。
携帯電話、ノートパソコン、自動車など生活に密接に関連しているサムスン半導体のイメージ
携帯電話、ノートパソコン、自動車など生活に密接に関連しているサムスン半導体のイメージ

半導体に関心がある方は、「半導体の8つの工程」について聞いたことがあるかもしれません。 半導体の8つの工程とは、半導体が完成するまでの数百の工程を8つに大別したものです。 サムスン半導体では、ブログのリニューアルを機に、チャネルで人気を集めたコンテンツ「半導体の8つの工程」について改めて取り上げたいと思います。 今日は8つの工程のうち、最初の工程である「ウェハ(Wafer)の製造」について紹介します。 半導体集積回路の重要な材料であるウェハとは何か、ウェハを作る段階から順番に見ていきましょう。

▶ウェハの製造に必要な材料

ウェハについて説明する前に、1つ質問です。 半導体集積回路(Semiconductor Integrated circuit)とウェハは、どのような関係にあるかご存知ですか? 半導体集積回路とは、様々な機能を処理して保存するために、多くの素子を1つのチップに集積した電子部品のことをいいます。 ウェハという薄い基板の上に数多くの同一回路を作ることで、半導体の集積回路が誕生します。ウェハは半導体の基盤なのです。 ピザを作るとき、トッピングする前に生地を作る必要があるのと同じです。 ウェハは、シリコン(Si)またはガリウムヒ素 (GaAs)などを成長させて作った単結晶の柱を適度な厚さに薄く切った円板です。 大半のウェハは砂から抽出したケイ素、すなわちシリコンから作ります。 半導体産業をベースに成長し、全世界のソフトウェア産業の中心地となった米国のシリコンバレー(Silicon Valley)は、半導体材料の「シリコン」(Silicon)とサンタクララ近郊の「渓谷」(Valley)に由来する地名です。 シリコンバレーと関連づければ、半導体ウェハの材料であるシリコンも覚えやすいでしょう。 シリコンは地球上に無数に存在しているので安定した材料供給が可能で、毒性がなく環境にも優しいという長所があります。 では、ウェハの製造工程について本格的に見ていきましょう。
半導体ウェハの製造-1.インゴット作り2.納品インゴット3.ウエハ表面4を研磨4.研磨ウェーハ
半導体ウェハの製造-1.インゴット作り2.納品インゴット3.ウエハ表面4を研磨4.研磨ウェーハ

第1段階。 インゴット(Ingot)の形成

砂から抽出したシリコンを半導体材料として使うには、純度を高めるための精製過程が必要です。 シリコン原料を高温で溶かして高純度のシリコン溶液を作り、これを結晶成長させて固めます。 このようにして作られたシリコンの柱をインゴット(Ingot)といいます。 数ナノメートル(nm)の微細な工程に適用される半導体用インゴットは、シリコンインゴットの中でも超高純度のインゴットを使います。

第2段階。 薄いウェハを作るためにインゴットを切断する(Wafer Slicing)

丸いこまの形のインゴットを円板型のウェハにするには、ダイヤモンドブレードを用いて均一の厚さになるように薄く切る作業が必要です。 ウェハの大きさはインゴットの直径によって決まり、150mm(6インチ)、200mm(8インチ)、300mm(12インチ)などのウェハがあります。 ウェハの厚さが薄いほど製造原価は下がり、直径が大きいほど一度に生産できる半導体チップの数が増えるため、ウェハの厚さとサイズは、さらに薄く、大きくなる傾向にあります。

第3段階。 ウェハの表面を研磨する(Lapping & Polishing)

切断されたウェハは加工を経て、鏡のように滑らかにする必要があります。 切り出したウェハは表面に凹凸があって粗く、回路の精度に影響を及ぼしかねないからです。 そのため、研磨液と研磨機(Polishing machine)を使ってウェハの表面を滑らかにしていきます。 加工前のウェハは、服を着る前の状態という意味で、ベアウェハ(Bare wafer)といいます。 ここに何段階もの物理的、化学的加工を加えて、表面にICを形成する加工をすると、下のような姿になります。 ICチップまで完成したウェハの各名称は次のとおりです。
複数段階の物理的、化学的加工を経て表面にICを形成し、加工段階を経たウェハーのイメージです。
複数段階の物理的、化学的加工を経て表面にICを形成し、加工段階を経たウェハーのイメージです。
半導体ウェハの名称 - ①ウェハ(Wafer) ②ダイ(Die) ③スクライブライン(Scribe Line) ④フラットゾーン(Flat Zone) ⑤ノッチ(Notch)
半導体ウェハの名称 - ①ウェハ(Wafer) ②ダイ(Die) ③スクライブライン(Scribe Line) ④フラットゾーン(Flat Zone) ⑤ノッチ(Notch)

ウェハ(Wafer): 半導体集積回路の重要な材料で、円形の板を意味します。 ②ダイ(Die): 丸いウェハの上に小さな四角形が密集しています。 この四角形の一つひとつは電子回路が集積したICチップで、これをダイといいます。 ③スクライブライン(Scribe Line): 肉眼ではダイが互いにくっついているように見えますが、実際にはダイとダイの間は一定の間隔があり、離れています。 この間隔をスクライブラインといいます。 ダイとダイの間にスクライブラインを入れる理由は、ウェハ加工が終わった後にこのダイを1つずつ切って組み立て、チップを作るためです。 ダイヤモンドブレードで切断できる幅を作っておくのです。 ④フラットゾーン(Flat Zone): ウェハの構造を区別するための領域で、フラットゾーンはウェハ加工時の基準線になります。 ウェハの結晶構造は非常に微細で肉眼では判断できないため、このフラットゾーンを基準にウェハの垂直・水平を判断します。 ⑤ノッチ(Notch): 最近は、フラットゾーンの代わりにノッチがあるウェハもあります。 ノッチウェハはフラットゾーンウェハよりも多くのダイを生産できるため、高効率です。 半導体産業には、ウェハを生産するウェハ事業と、ウェハを資材として回路を設計・製造するウェハ加工事業のファブ(FAB, Fabrication)事業があります。 また、加工したウェハからダイを切り取り、湿気や圧力から保護できるようにパッケージ(package)するアセンブリ(assembly)事業もあります。 今日は、ウェハの概念と名称、生産過程について見てきました。 今後、半導体の8つの工程について、わかりやすく楽しい内容で紹介していきますので、どうぞお楽しみに。