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ストレージソリューションの進化: 突破口、革新、そして持続可能な未来

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サムスン電子は、フラッシュストレージ業界におけるソリューションベンダーとしてトップの座にいるという評価を長年いただいています。このような評価をいただいている理由の一つに、エンタープライズやデータセンター、顧客、ブランド、モバイル、車載用ストレージをはじめ、レガシー技術や新規技術、新興技術に至るまですべてを網羅する業界最大規模の製品ラインナップを挙げることができます。そのため、サムスン電子は多様で興味深いプロジェクトを共にできる優れたパートナー企業だといえます。 優れたユーザーエクスペリエンスをサポート モバイルやブランド、お客様へのストレージ分野におけるサムスン電子の革新は、消費者が日常生活で楽しんでいただけるソリューションの優れた一例です。最近、サムスン電子は世界で初めてUFS 4.0の量産を開始しました。サムスンファウンドリの5nmのロジック半導体プロセスを活用したUFS 4.0は、UFS 3.1製品より46%優れたエネルギー消費効率をサポートし、I/O帯域幅とベンチマークの性能が2倍に向上しました。UFS 4.0は、モバイルアプリケーションにSSDクラスの性能を効果的に提供することで、よりスマートでスリムで強力なモバイル時代を切り拓きます。
サムスン電子が最近リリースしたPCIe Gen4ベースの990 PRO SSDもベンチマークの性能基準を高め、現在市販されている他の製品より優れています。990 PROは圧倒的なユーザーエクスペリエンスで、コンソールゲームに新次元の性能を提供します。また、3Dレンダリングや4K動画から高性能グラフィックスゲームやビッグデータ分析まで、あらゆる分野でデータのロードを最適化するために新たに開発された熱制御も搭載されています。 一方、PCIe Gen4とGen5を同時にサポートするDRAMレスSSDのPMC9C1aは、ハイエンドの5nmロジック半導体プロセスと最適化されたコントローラーアーキテクチャを備え、従来の製品よりも72%高いエネルギー消費効率を誇ります。PM9C1aは、最新の3mWのスタンバイ規格をサポートしたノートパソコンにとっては最適なソリューションで、PCIe Gen5との互換性により、PCメーカーに新時代の性能をサポートするために必要な安定性を提供します。 自動車業界で革新を続けてきたサムスン電子の歴史は、eMMCとともに車載インフォテインメント(IVI)ソリューションを導入した時期までさかのぼります。2019年にはUFSソリューション、2020年にはSSD、2021年にはAuto SSDで知られる高性能大容量ストレージSSDをリリースしました。このソリューションは、2023年にリリース予定のA-SPICEレベル2をベースにしたUFS 3.1製品と同様に、発売に向けて準備が進められています。 ストレージインフラの簡素化 最近、カリフォルニア・サンノゼで開催されたメモリーテックデー (Memory Tech Day)で、サムスン電子は同種初のPCIe Gen5 SSDであるPM1743に対する互換性評価を終えたことを発表しました。現在量産されているPM1743は、シングルポートとデュアルポートをサポートし、PCI Gen4よりも電源ユニットあたり40%以上優れた性能を提供できるよう最適化されています。またこのドライブには、限られたスペース、そして電力の処理中に速度と冷却を最適化させるという、これまで長いあいだ苦労してきたデータセンターに特化した機能が含まれています。
サムスン電子の8チャンネルNVMe PCIe Gen 5 SSDは、これらの要素のバランスを保ちながら、Gen4よりも1.8倍速い性能を提供します。エネルギー消費効率が17%向上するだけでなく、OCPに準拠しすべての主要なフォームファクタをサポートするため、さまざまなデータセンターの構成にシームレスに統合します。 サムスン電子は、2012年にSM1625を発売して以来、革新的なSAS製品を発表し、2021年にはついに同種初のPM1653 24G SAS SSDの量産に至りました。以前のモデルと比較すると、PM1653は2倍の帯域幅と31%向上したエネルギー消費効率を提供し、スループットを最大化しながらストレージインフラを簡素化することができます。 データセンターの運用に必要なSSDの数が増えるにつれて、それを管理するのに必要なスキルがますます重要になっています。サムスン電子は、サーバ運用のこの側面の安定性を高めるために、データ管理タスクを簡素化するテレメトリサービスの提供計画について発表しました。データセンターを運営しているお客様の場合、このサービスと事前定義されたテレメトリのデータセットを使用していただくことで、問題をより効果的に発見かつ解決し、高性能を維持していただけます。またこのサービスと、サムスン電子が今後 SSD 製品に適用するために開発している管理中心のコントローラーを組み合わせると、さまざまなデータセンター環境でより効率的なサーバー運用が可能になります。 超高容量の実装への道のり サムスン電子は2016年に16TB SSDを発売して以来、V-NAND技術の先駆的な発展とともに大容量SSDの開発をリードしてきました。この革新で、サムスン電子は2017年のフラッシュメモリサミット(2017 Flash Memory Summit)では32TB SSDを、2019年では64TB SSDを、また2021年ではQLCベースの128TBプロトタイプSSDを発売しました。2020年には、サムスン電子はQLCベースの大容量製品の需要増加に対応するために、PCIe Gen3 BM1733aを開発しました。また来年には、現在のバージョンより2倍広い帯域幅と70%向上したエネルギー消費効率をサポートするPCIe Gen4 SSDを開発する予定です。
一方、SSDのフォームファクタは、大容量SSDの1つのサーバに保存できるデータ量がさらに増え、多様化しています。1つの2Uサーバに1PBのデータを保存できるサムスン電子のPM1743のようなソリューションでデータストレージと処理を行う新時代の幕開けを、私たちはすでに目の当たりにしています。 最終的にストレージアーキテクチャはエクサバイト(EB)、さらにはゼタバイト(ZB)へと拡大され、大容量SSDはPBクラスのストレージボックスが超高密度ストレージシステムの個々のコンポーネントとして機能するようサポートしていく予定です。サムスン電子が提案したPB SSDソリューションは、QLCをはじめさまざまなメディアオプションを使用してスペース効率を高め、最適化されたデバイス管理に多くの価値を提供しながら、データセンターのストレージの総所有コスト(TCO)削減に貢献します。
ストレージソリューションの持続可能な未来 地球温暖化が環境に深刻な脅威となっている状況において、IT業界全体がカーボンフットプリントを削減するために必要な措置を講じることも重要です。現在、IT業界は世界中の電気使用量の10%を占めており、そのうちの10%はデータセンターによって消費されています。この問題を解決するには、業界で効率的な冷却方法とクリーンエネルギーの使用と循環経済(サーキュラーエコノミー)を採用する必要があります。サーバの運用には特に電力が大量に消費されるため、エネルギー効率の高いサーバを設計することが最優先事項となります。 サーバの消費電力を削減する方法の一つは、データを中心としたコンピューティングを通じて不要なデータ移動を最小限に抑えることです。これには、デバイス、インターフェイス、アーキテクチャという3つの重要な要素が含まれます。データが急速に増加する中、サムスン電子の第2世代SmartSSDなどの新しいデバイスを使用すると、より身近で効率的な処理が可能になります。サムスン電子のメモリセマンティックSSDやCXLなどのバイトアドレスが可能なインターフェイス技術を使用して不要なデータをフィルター処理し、ドメイン固有のアーキテクチャを通じて低消費電力で高スループットをサポートします。 また、サムスン電子はエネルギー効率の高いソリューションを開発するために、様々なパートナーと提携しています。現在開発中のSmartSSDベースの完全準同型暗号(FHE)アクセラレータは、技術をより実用的にし、韓国のデータセキュリティスタートアップであるクリプトラボ(CryptoLab)のFHEライブラリがサポートされます。またサムスン電子は、MS-SSDを活用してボトルネックを解消する効率的なAI推薦システムを開発するために、エスペラント(Esperanto)と提携しています。 サムスン電子はストレージ業界の発展に尽力しており、今後もさまざまなパートナー企業と協力して技術革新の障害を克服していきます。